2026年度を見据えた入管手数料の大幅引き上げに備える

出入国在留管理庁の建物外観

外国人の在留手続きを行う際、必ず必要となるのが「入管手数料」です。
この記事では入管手数料引き上げについて解説します。

2025年4月1日には、在留資格の更新や変更、永住許可申請などにかかる手数料がすでに引き上げられました。しかし、2026年以降、さらに大幅な引き上げが検討されているのはご存じでしょうか。

この記事では、入管業務に特化した行政書士が、「2026年度に予定される入管手数料引き上げの方向性」と「今すぐ準備しておきたいポイント」をわかりやすく解説します。

在留外国人の方や、外国人を雇用している企業の方は、ぜひご参考ください。

入管手数料引き上げの方向性|現段階でわかっていること

政府は、2025年11月以降、在留資格の更新や変更、永住許可申請などの手数料を、欧米諸国並みの水準に引き上げる方向で検討していると報じられています。

この引き上げの目的は、主に以下の点にあります。

在留外国人の増加に伴う審査体制の強化

令和5年(2023年)末時点で、日本に在留する外国人は約341万人に達しています。

申請件数の増加に対応するため、審査官の増員やデジタル化・審査システムの高度化には、相応の財源が必要とされています。

不法滞在や不正申請への対策

手数料を引き上げることで、安易な申請や不適切な申請を抑制する効果も期待されています。

また、オンライン申請やAI活用による審査の厳密化が進む中で、適正な負担を求めるという狙いもあります。

ただし、現時点では「まだ正式決定ではない」ことに注意が必要です。報道によると、入管法の改正案を2026年度の通常国会に提出し、2027年度中を目途に制度化する方向が想定されていますが、金額や施行時期は国会審議の過程で変更される可能性があります。

最新の情報は、出入国在留管理庁の公式サイトで随時更新されていますので、定期的にご確認ください。

現在の手数料と、2026年以降の「検討案」

まず、2025年4月1日から施行されている手数料改定を確認しておきましょう。

手続き改定前(〜2025年3月31日)2025年4月1日以降(現行)
在留資格変更4,000円4,000円(オンライン)/6,000円(窓口)
在留期間更新(1年以上)4,000円4,000円(オンライン)/6,000円(窓口)
永住許可申請8,000円10,000円(オンライン)/10,000円(窓口)

この現行水準を踏まえて、2026年以降に検討されている引き上げ案は、以下のような報道ベースの数字が示されています。

在留資格変更・在留期間更新(1年以上)

  • 現行:6,000円
  • 検討案:3万円〜4万円程度

つまり、現在の5〜7倍程度に引き上げられる可能性があります。

永住許可申請

  • 現行:10,000円
  • 検討案:10万円以上

一部報道では、10万円〜20万円程度の水準が挙がっているとされています。

ここで重要なのは、これらは「報道で示されている政府内の検討案」であり、正式な法改正・施行の段階で変更される可能性があるという点です。

また、現在の入管法では手数料の上限が1万円と定められており、3万円〜4万円、永住許可で10万円以上の水準にするには、法改正が必要です。

永住許可申請の条件や必要書類について詳しくはこちら

2026年以降の見直しで対象となる可能性がある手続き

報道によると、以下のような在留手続きが、手数料引き上げの対象となる可能性があるとされています。

  • 在留資格変更許可申請
  • 在留期間更新許可申請(1年を超える在留期間のもの)
  • 永住許可申請
  • 再入国許可申請
  • 資格外活動許可申請
  • 外国証拠書類の領事認証・翻訳など、入管関連の手数料

一方、帰化申請は法務局の所管であり、入管手数料とは別の制度です。しかし、今後、審査要件の運用が厳格化される可能性が議論されています(例:日本語能力や納税状況の確認強化など)。

ただし、これは「報道や議論レベル」の話であり、現時点では法改正が決定しているわけではありません。

帰化申請の条件や手続きの流れについて詳しくはこちら

なぜ今、入管手数料の大幅引き上げなのか?

報道をもとに、背景となる主な理由を整理します。

在留外国人の急増による審査・行政負担の増大

在留外国人の増加に伴い、入国審査や在留更新の申請件数も増加しています。

その分、審査体制の強化や外国人との共生施策(医療・教育・住居など)に必要な財源を確保する必要があります。

欧米諸国との手数料水準の差

日本の在留手続き手数料は、米国・イギリス・オーストラリアなどと比較して、極めて低位とされています。

そのため、政府は「受益者負担」の観点から、欧米並みの水準に近づける方向で検討を進めているとされています。

不法滞在・不正申請の抑制

手数料が安価な場合、安易な申請や不正な申請が増えるリスクがあります。

手数料を引き上げることで、不正な申請や不法滞在の防止を図る狙いもあるとされています。

企業と外国人が今すぐ準備すべきこと

将来的な手数料引き上げが予想される中で、今からできる対策を整理してみましょう。

1.更新時期の見直し(前倒し申請の検討)

在留期間の更新は、原則として満了日の3か月前からしか申請できません。

2026〜2027年度に大幅引き上げが予定されている場合、2026年3月までに在留期間を更新しておけば、現在の6,000円で申請できる可能性があります。

ただし、前倒し申請が認められるケースは限定的であり、申請の適切なタイミングは、在留期間の満了日や、入管の運用解釈を踏まえて判断する必要があります。

2.永住許可申請の早期検討

永住許可申請は、引き上げ幅が最も大きいと見られている手続きです。

  • 現行:10,000円
  • 検討案:10万円以上

すでに要件を満たしている方、あるいは近い将来に満たす見込みの方は、永住許可申請を早めに検討する価値があります。

ただし、永住許可は、継続的な在留期間、日本での納税・社会保険の正常な支払い、日本語能力や素行・資産状況などを総合的に審査されるため、書類の準備や戦略的なアドバイスが重要です。

3.企業における手数料負担の見直し

外国人人材を雇用する企業では、在留資格の更新手数料を企業が負担しているケースが少なくありません。

手数料が現行よりも5〜10倍以上に跳ね上がれば、企業のコスト負担も大きく増加します。

企業が今から検討しておくべきポイントは、以下の通りです。

  • 手数料負担を誰が負うか(社員負担・企業負担・折半)を明文化した社内規定の整備
  • 雇用契約や就業規則に、手数料負担の取り扱いを明記する
  • 2〜3年後を見据えた人件費・採用予算の見直し
  • できるだけ長期の在留期間(3年・5年)を取得できる申請準備の徹底

特に、在留期間が短ければ短いほど、更新回数が増えるため、長期的に見た負担が大きくなる点に注意が必要です。

就労ビザの詳細や手続きの流れについて詳しくはこちら

4.計画的な資金準備

在留期間更新や永住許可申請は、2026〜2027年度には、1件あたり数万円〜数十万円の出費となる可能性があります。

例:夫婦と子ども2人の家族で、全員が在留期間更新を行う場合、1人あたり4万円として、計16万円の手数料が必要になる可能性があります。

そのため、外国人本人や家族単位での資金計画を立てておき、不測の出費に慌てない体制を作っておくことが重要です。

配偶者ビザの申請方法や必要書類について詳しくはこちら

帰化申請への影響|審査要件の厳格化の動き

入管手数料の引き上げと並行して、帰化申請の審査要件についても、実務レベルでの厳格化が議論されています。

例えば、日本語能力の審査強化や、税・社会保険の納付状況の確認強化、5年以上の在留期間の「実質的な継続性」の確認などが、今後、より厳しくなる可能性があります。

ただし、これは現時点では「報道や議論のレベル」であり、現行の法的要件がすでに変更されているわけではありません。

そのため、行政書士がクライアントに説明する際は、「法改正の見通しではなく、実務運用の厳格化が予想される」というニュアンスで伝えるのが望ましいです。

帰化申請に関する詳細な情報は、法務局の公式サイトでもご確認いただけます。

2026年入管法改正の全体像|手数料以外の見直し

入管手数料の引き上げだけでなく、2026年以降の入管法改正では、以下の点も見直される可能性があります。

入国事前審査の拡大

現在は一部の在留資格に限定されている入国事前審査(在外申請)が、より多くの在留資格に拡大される可能性があります。

これにより、日本に入国する前に在留資格の審査が終了するケースが増える可能性があります。

在留カードのデジタル化・オンライン申請の拡充

入管のオンライン申請システムは、今後さらに拡充され、デジタル化が進む見込みです。

一部では、オンライン申請では手数料が若干安くなる仕組みが継続される可能性も指摘されています。

在留管理の厳格化

配偶者ビザなどでは、婚姻の実態を示す資料が厳しく審査される可能性があります。

また、在留期間更新では、法人税・源泉所得税・社会保険料・消費税などの納付状況を確認するケースも増えており、税務・社会保険の整理が不可欠です。

専門家(行政書士)への相談が重要な理由

入管手数料の引き上げや、審査の厳格化が進めば進むほど、在留手続きは専門性が高くなり、不許可リスクが増すと見られます。

手数料が大幅に引き上げられると、不許可になった場合の経済的損失も大きくなります。申請手数料は、不許可となった場合でも返金されません。

例:永住許可申請が不許可となった場合、検討されている金額では、10万円〜20万円の手数料が無駄になってしまう可能性があります。

行政書士が提供できる代表的なサポート

行政書士が提供できる代表的なサポートは、以下のようなものです。

  • 現在の在留状況の診断と、最適な在留戦略のご提案
  • 手数料引き上げ前・後での申請タイミングのアドバイス
  • 永住許可申請の要件チェックと、申請書類の作成・添削
  • 企業向けの外国人雇用管理のコンサルティング
  • 不許可リスクの事前診断と、申請前の改善提案

まとめ|2026年入管手数料引き上げへの備え

2026年以降、入管手数料が在留資格の更新で3万〜4万円程度、永住許可申請で10万円以上に引き上げられる可能性がありますが、これは現時点では検討段階の案です。

そのため、必ず最新の法務省出入国在留管理庁の公式サイトで、最新の手数料情報や法令改正内容をご確認ください。

クライアントに説明する際のポイントは、以下の通りです。

  • 「まだ決定ではない」という点を明示する
  • 報道ベースの数字を「検討案」として提示する
  • 万が一、引き上げが実施された場合に備えた、前倒し申請・長期在留期間の確保・資金計画・専門家への相談を勧めること

当事務所では、入管業務に特化した行政書士が、個別の在留状況に合わせた最適なアドバイスを提供しています。手数料引き上げ対策や、永住許可申請のタイミング、外国人雇用管理など、お気軽に無料相談をご利用ください。(登録申請中4月開業予定)

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