2027年4月、外国人材受入制度が大きく変わります
外国人材を雇用している広島県内の経営者の皆様、重要なお知らせがあります。2027年4月1日から、育成就労制度が新たにスタートすることが正式に決定しました。この新制度は、約30年間続いてきた技能実習制度に代わるものです。
そのため、外国人材を活用している企業は、制度移行に向けた準備が必要となります。しかし、「いったい何が変わるのか」「自社は何をすべきか」と不安を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、育成就労制度の基本的な内容から技能実習制度との違い、そして広島県内の企業が今から準備すべきことまで、入管業務の専門家である行政書士が3分で読める形式で分かりやすく解説します。
育成就労制度とは?制度創設の背景
技能実習制度の問題点と廃止の理由
技能実習制度は、1993年から約30年間続いてきた制度です。つまり、「日本の技術を開発途上国に伝える国際貢献」を目的としていました。
しかし、実態は人手不足を補う労働力確保の手段となっており、制度の目的と現実に大きな乖離が生じていました。加えて、低賃金や人権問題、転籍制限による労働者の不自由さなど、多くの課題が指摘されてきました。
こうした問題を受け、政府は制度の抜本的な見直しを決定。2024年6月14日に関連法が成立し、技能実習制度は2027年までに段階的に廃止されることが確定しました。
育成就労制度の目的
育成就労制度は、「人材育成」と「人材確保」の両立を明確な目的としています。具体的には、特定技能1号への移行を前提とした人材育成を行い、日本の人手不足分野における労働力を確保することを目指します。
これにより、制度の目的と実態の乖離が解消され、より透明で持続可能な外国人材受入れが実現する見込みです。
技能実習制度と育成就労制度の主な違い

では、具体的に何が変わるのでしょうか。主な違いを表にまとめました。
| 項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
|---|---|---|
| 目的 | 国際貢献(技術移転) | 人材育成と人材確保 |
| 在留期間 | 最長5年 | 原則3年(特定技能へ移行) |
| 転籍(転職) | 原則不可 | 1~2年後から可能(分野別) |
| 受入上限 | なし | 42万6200人(2027~2028年度) |
| 日本語要件 | なし | A1相当以上(入国前) |
| 特定技能への移行 | 試験必要 | 計画的育成により移行 |
最大の変更点:転籍制限の緩和
最も大きな変更は、転籍(転職)制限の緩和です。技能実習制度では原則として転籍が認められていませんでしたが、育成就労制度では、就労開始から1~2年経過後(分野により異なる)、同一分野内での転籍が可能になります。
この変更により、外国人材の選択の自由が広がる一方、受入企業にとっては人材流出のリスクが高まることを意味します。したがって、待遇改善や職場環境の整備が、これまで以上に重要になります。
日本語能力要件の新設
また、育成就労制度では、入国前に日本語能力A1相当以上(日本語能力試験N5レベル)の試験合格が必須となります。これにより、基礎的な日本語能力を持つ人材の受入れが可能になり、業務指導やコミュニケーションの円滑化が期待されます。
育成就労計画の認定制
さらに、受入企業は「育成就労計画」を作成し、認定を受けることが必要です。この計画には、育成期間(3年以内)、育成内容、評価方法などを明記します。
計画的な人材育成が求められるため、受入企業の責任はこれまで以上に重くなります。
特定技能制度との関係性
育成就労制度は、特定技能1号への移行を前提とした制度設計となっています。つまり、3年間の育成就労期間で計画的に人材を育成し、特定技能1号へとスムーズに移行させることが期待されています。
2027年度から2年間の受入上限は、育成就労が42万6200人、特定技能が80万5700人で、両制度合計123万人超の外国人材受入れが想定されています。
広島県内の企業が今すべき3つの準備

1. 待遇・労働条件の見直し
転籍が可能になることで、外国人材は待遇の良い企業へ移る選択肢を持つようになります。そのため、現在の賃金水準、労働時間、福利厚生などを見直し、同業他社と比較して競争力のある条件を整備することが急務です。
具体的には以下の点を確認しましょう。
- 賃金は同業他社や日本人従業員と比較して適正か
- 残業時間や休日は法令を遵守しているか
- 住居環境や生活支援は充実しているか
- キャリアアップの機会を提供しているか
2. 育成計画の策定準備
育成就労制度では、認定を受けた「育成就労計画」が必須です。したがって、自社でどのような技能を、どのように育成するのか、具体的な計画を立てる必要があります。
計画には以下の要素が含まれます。
- 育成期間(最長3年)
- 習得させる技能の内容
- 指導体制と指導者
- 評価方法と評価時期
- 日本語教育の実施方法
計画策定には専門知識が必要なため、入管業務に詳しい行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
3. 監理支援機関との関係構築
育成就労制度では、従来の「監理団体」が「監理支援機関」へと名称変更され、機能も強化されます。また、監理支援機関に対する外部監査が導入されるなど、監督体制も厳格化されます。
受入企業は、信頼できる監理支援機関を選定し、制度施行前から連携を強化しておくことが重要です。さらに、監理支援機関の許可要件や運営状況についても確認しておきましょう。
移行期間中の注意点
2027年4月の制度施行後も、3年間の移行期間が設けられます。この期間中は、既存の技能実習生は従来の制度で在留を継続できますが、新規受入れは育成就労制度での受入れとなります。
そのため、企業は以下の点に注意が必要です。
- 既存の技能実習生の処遇をどうするか
- 新制度での受入れ準備をいつから始めるか
- 技能実習と育成就労の混在期間の管理体制
移行期間中の対応について不明な点があれば、早めに専門家に相談することをお勧めします。
広島県の支援体制
広島県では、外国人材の受入れを検討する企業向けに、情報提供やセミナーを実施しています。広島県商工労働局雇用労働政策課が運営する「広島県外国人材就労チャンネル」では、育成就労制度に関する動画解説も公開されています。
また、県内企業を対象とした「特定技能外国人受入モデル企業支援事業補助金」などの支援制度も用意されています。これらの公的支援を積極的に活用することで、スムーズな制度移行が可能になります。
最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトでもご確認いただけます
他の在留資格との関連性
育成就労制度は、特定技能制度への移行を前提としていますが、その他の在留資格とも関連があります。例えば、外国人材が日本人と結婚した場合は配偶者ビザへの変更が可能ですし、長期在留後には永住許可申請を検討することもあります。
将来的に日本国籍の取得を希望する外国人材もいるため、帰化申請についての情報提供も有益です。
専門家への相談をお勧めします
育成就労制度への移行は、単なる制度変更ではなく、外国人材受入れの在り方を根本から見直す機会です。しかし、制度の詳細は複雑で、企業ごとに対応すべき事項も異なります。
育成就労計画の策定、監理支援機関の選定、労働条件の見直しなど、専門的な知識が必要な場面も多くあります。また、法令遵守や人権配慮の観点からも、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
当事務所では、入管業務に特化した行政書士として、広島県内の企業様の外国人材受入れを全面的にサポートしております。育成就労制度への移行準備から、育成就労計画の作成、各種在留資格申請まで、ワンストップでご対応いたします。
まとめ:2027年に向けて今から準備を
育成就労制度は2027年4月1日から施行されます。制度施行までの残り時間で、企業は以下の準備を進める必要があります。
- 待遇・労働条件の見直しと改善
- 育成就労計画の策定準備
- 監理支援機関との関係構築
- 社内体制の整備と教育
- 専門家への相談と情報収集
早めの準備が、スムーズな制度移行と優秀な外国人材の確保につながります。制度に関する疑問や不安がある場合は、お気軽に当事務所までご相談ください。
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