広島流川の飲食店における外国人雇用の現状

広島市中区流川エリアは、県内有数の繁華街として知られ、多くの飲食店が軒を連ねています。近年、この地域でも外国人雇用のニーズが高まっている傾向があります。広島労働局が公表した令和7年10月末時点のデータによると、広島県内の外国人労働者数は51,821人に達し、過去最多を更新しました。
このうち、宿泊業・飲食サービス業に従事する外国人労働者の割合も着実に増加しています。特に流川エリアのような繁華街では、人手不足を解消するため、外国人材の採用を検討される飲食店経営者の方が増えているようです。
しかし、外国人を雇用する際には、在留資格の確認や適切な手続きが求められることがあります。本記事では、広島流川エリアで飲食店を経営されている方に向けて、外国人雇用の基礎知識と実務的なポイントを解説いたします。
飲食店で外国人を雇用できる在留資格とは
飲食店で外国人を雇用する場合、まず確認すべきなのが在留資格です。在留資格によって従事できる業務内容や労働時間に制限がある場合があります。以下では、飲食店で一般的に活用される在留資格について説明します。
特定技能(外食業分野)
外食業分野における特定技能は、飲食店での就労を目的とした在留資格です。出入国在留管理庁によると、特定技能1号では飲食物調理、接客、店舗管理の業務全般に従事することが可能とされています。
特定技能2号では、さらに店舗経営に関する業務にも携わることができる傾向があります。令和7年10月末時点で、広島県内には9,273人の特定技能外国人労働者がおられるとのデータがあり、前年比で30.3%増加している状況です。
技能実習
技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした制度です。外食業分野の技能実習2号を良好に修了した方は、特定技能1号の試験が免除される場合があります。広島県内では、技能実習の在留資格を持つ外国人労働者が19,369人と最も多く、全体の37.4%を占めています。
留学生のアルバイト(資格外活動許可)
留学生は、資格外活動許可を取得することで、週28時間以内の範囲でアルバイトとして飲食店で働くことができる可能性があります。ただし、風俗営業に該当する店舗では就労できない点に注意が必要です。
身分に基づく在留資格
「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」などの身分に基づく在留資格をお持ちの方は、就労制限がない傾向があります。そのため、飲食店での業務全般に従事していただくことが可能と考えられます。広島県内では、この在留資格を持つ外国人労働者が9,055人おられます。
技術・人文知識・国際業務
この在留資格では、一般的に単純労働とされる調理や接客業務に従事することは認められない傾向があります。ただし、店舗管理業務など、専門的な知識を活用する業務であれば従事できる可能性があります。具体的な活動内容やキャリアパス全体を総合的に考慮して、個別に判断される方向です。
| 在留資格 | 調理業務 | 接客業務 | 店舗管理業務 | 店舗経営 |
|---|---|---|---|---|
| 特定技能1号(外食業) | ○ | ○ | ○ | × |
| 特定技能2号(外食業) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 技能実習 | ○ | ○ | ○ | × |
| 技術・人文知識・国際業務 | × | × | △(個別判断) | × |
| 留学(資格外活動許可) | ○(週28時間以内) | ○(週28時間以内) | △ | × |
| 身分に基づく在留資格 | ○ | ○ | ○ | ○ |
※○:従事可能、△:条件により可能、×:従事不可
出典:出入国在留管理庁「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」
広島流川で外国人を雇用する際の注意点
広島流川エリアで外国人を雇用する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要がある傾向があります。
在留カードの確認は必須
外国人を雇用する際には、必ず在留カードの確認を行うことが求められます。在留カードには、氏名、生年月日、在留資格、在留期間などが記載されています。特に「就労制限の有無」欄を確認し、就労可能な在留資格であるかをチェックすることが重要です。
また、在留期間が過ぎていないかどうかも必ず確認する必要があります。在留期間を超えて就労させた場合、事業主側も不法就労助長罪に問われる可能性があるため、注意が必要です。
風俗営業に該当する店舗での就労制限
流川エリアには、風俗営業法に基づく営業許可を取得している店舗も存在します。特定技能外国人は、風俗営業法第2条第1項に規定する風俗営業や、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む営業所では就労できない傾向があります。
さらに、風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせることも禁止されています。この点は、飲食店を運営される際の重要なポイントとなる可能性があります。
外国人雇用状況の届出義務
外国人を雇用した場合、事業主はハローワークへの届出を行うことが義務付けられています。雇入れ時と離職時に、氏名、在留資格、在留期間などの情報を届け出る必要があります。この届出を怠ると、指導や勧告を受ける可能性があるため、忘れずに手続きを行うことが大切です。
食品産業特定技能協議会への加入
特定技能外国人を雇用する場合、事業主は食品産業特定技能協議会の構成員になることが求められることがあります。協議会への加入審査には1~2か月程度かかる傾向があるため、外国人材の受入れを計画されている場合は、早めに手続きを進めることが推奨されます。
外国人雇用で活用できる特定技能制度の詳細
特定技能制度は、人手不足が深刻な分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。外食業分野もその対象となっており、広島流川の飲食店でも積極的に活用できる可能性があります。
特定技能1号の要件
特定技能1号の在留資格を取得するためには、以下の要件を満たす必要がある傾向があります。
- 技能試験:「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格すること
- 日本語試験:「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格すること
- または、外食業分野の技能実習2号を良好に修了していること
特定技能1号の在留期間は通算で最長5年となっています。
特定技能2号の要件
令和6年より、外食業分野でも特定技能2号の受入れが開始されました。特定技能2号では、在留期間の更新回数に制限がなく、実質的に長期の就労が可能となる見込みです。
特定技能2号を取得するためには、以下の要件が必要とされる傾向があります。
- 技能試験:「外食業特定技能2号技能測定試験」に合格すること
- 日本語試験:「日本語能力試験(N3以上)」に合格すること
- 実務経験:食品衛生法の営業許可を受けた飲食店において、複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長、サブマネージャー等)としての実務経験があること
受入れ機関(雇用主)の要件
特定技能外国人を雇用する事業主には、いくつかの条件が課される傾向があります。
- 食品産業特定技能協議会の構成員になること
- 農林水産省や協議会に対して必要な協力を行うこと
- 特定技能外国人に対するキャリアアッププランを設定し、雇用契約を締結する前に書面で説明すること
- 風俗営業や性風俗関連特殊営業を営む営業所では就労させないこと
- 「接待」を行わせないこと
広島県における外国人雇用のデータと傾向
広島県内の外国人雇用状況について、最新のデータをご紹介します。
令和7年10月末時点の統計
広島労働局が公表したデータによると、令和7年10月末時点で広島県内の外国人労働者数は51,821人となり、前年比で3,470人(7.2%)増加しました。これは届出が義務化された平成19年以降、過去最多の数字です。
国籍別では、ベトナムが最も多く15,468人(全体の29.8%)、次いでフィリピン9,052人(17.5%)、インドネシア7,515人(14.5%)の順となっています。
在留資格別では、技能実習が19,369人(37.4%)と最も多く、次いで専門的・技術的分野の在留資格が15,240人(29.4%)、身分に基づく在留資格が9,055人(17.5%)となっています。
産業別の状況
産業別では、製造業が最も多く外国人労働者全体の43.4%を占めています。一方、宿泊業・飲食サービス業では、外国人を雇用する事業所数が744事業所(全体の10.4%)となっており、広島流川エリアのような繁華街でも外国人材の活用が進んでいる傾向が見られます。
増加率の高い国籍
対前年増加率では、ミャンマー(前年比61.9%増)、スリランカ(同46.6%増)、インドネシア(同30.9%増)の順となっています。特に東南アジア諸国からの外国人労働者が増加している状況です。
外国人雇用を行政書士に依頼するメリット
広島流川エリアで飲食店を経営されている方が外国人を雇用する際、在留資格の申請手続きや関連する書類作成は複雑になる傾向があります。このような場合、行政書士に依頼することで、以下のようなメリットが得られる可能性があります。
適切な在留資格の選択
外国人の学歴、職歴、現在の在留状況などを総合的に判断し、最も適切な在留資格をご提案できる傾向があります。在留資格によって従事できる業務内容や手続きの流れが異なるため、専門家のアドバイスが役立つことがあります。
煩雑な書類作成の代行
特定技能の在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請には、多くの書類が必要となる場合があります。また、申請書の記載内容も詳細にわたるため、専門家に任せることで、事業主の方の負担を軽減できる見込みです。
不許可リスクの低減
申請書類に不備があったり、要件を満たしていなかったりすると、申請が不許可となる可能性があります。行政書士は、これまでの経験と知識をもとに、許可の可能性を高める書類作成をサポートできる傾向があります。
継続的なサポート
在留資格の更新手続きや、従業員が増えた場合の追加申請など、継続的なサポートを受けられることがあります。また、法改正や制度変更にも迅速に対応できる体制が整っています。
外国人雇用に関する詳しい情報は、就労ビザの解説記事もご参照ください。また、配偶者ビザや永住許可をお持ちの外国人の方も、就労制限がない場合があります。
まとめ:広島流川の飲食店で外国人雇用を成功させるために
広島流川エリアの飲食店で外国人を雇用する際には、在留資格の確認と適切な手続きが不可欠です。特定技能制度を活用することで、即戦力となる外国人材を受け入れることができる可能性があります。
しかし、在留資格の種類や要件、届出義務など、押さえるべきポイントは多岐にわたります。また、風俗営業に該当する店舗での就労制限など、業種特有の注意点もあります。
外国人雇用をお考えの飲食店経営者の方は、専門家である行政書士にご相談いただくことで、スムーズな受入れが実現できる傾向があります。当事務所では、広島エリアでの外国人雇用に関する豊富な経験をもとに、お客様の状況に応じた最適なサポートを提供しております。
外国人雇用に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で承っております。(登録申請中4月開業予定)