広島で深夜0時以降にお酒を提供するバーや居酒屋を開業したいとお考えの方へ。深夜酒類提供飲食店を営業するには、警察署への届出が必要です。特に外国人の方が経営者や従業員として関わる場合、在留資格の確認が重要となります。
この記事では、広島県における深夜酒類提供飲食店営業の届出手続きと、外国人が関わる場合の在留資格について、行政書士が詳しく解説します。
深夜酒類提供飲食店営業とは

深夜酒類提供飲食店営業とは、午前0時から午前6時までの深夜時間帯に、主として酒類を提供して客に遊興させない飲食店営業を指します。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第33条に基づき、営業開始前に警察署への届出が必要となります。
深夜酒類提供の届出が必要な店舗
具体的には、以下のような店舗が該当する傾向があります。
- バー
- スナック(接待行為がない場合)
- 居酒屋(深夜0時以降も営業する場合)
- ダイニングバー
- ワインバー
ただし、ラーメンや定食など主食を提供する店舗は、深夜時間帯に酒類を提供していても届出が不要となるケースがあります。
届出が不要なケース
以下の場合は届出が不要です。
- 深夜0時前に営業を終了する店舗
- 主として主食(ご飯、麺類など)を提供する店舗
- 酒類を提供しない飲食店
広島県における深夜酒類提供飲食店の届出要件
広島県で深夜酒類提供飲食店営業を開始するには、以下の要件を満たす必要があります。
営業地域の制限
都市計画法で定める第1種低層住居専用地域等の住居系地域では、深夜酒類提供飲食店の営業が制限されています。開業前に必ず用途地域を確認しましょう。
用途地域は、市役所や区役所、町役場の都市計画課などで証明書を取得できます。また、自治体によってはインターネットでも確認できる傾向があります。
構造設備の基準
広島県警察の定める構造設備の基準を満たす必要があります。主な基準は以下の通りです。
| 項目 | 基準内容 |
|---|---|
| 客室の床面積 | 1室の床面積を9.5㎡以上とすること(客室が1室のみの場合を除く) |
| 客室内部の設備 | 見通しを妨げる設備を設けないこと |
| 照明設備 | 照度が20ルクス以下とならないようにすること |
これらの基準は、善良な風俗環境を保つために設けられています。店舗の設計段階から、これらの基準を考慮することが重要です。
欠格事由に該当しないこと
以下のような欠格事由に該当する場合は、届出が受理されないケースがあります。
- 風営法違反により刑に処せられ、その執行を終えてから5年を経過していない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
- 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者
- 未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する場合を除く)
広島県警察への届出手続きの流れ
広島県で深夜酒類提供飲食店営業を開始するには、以下の手順で手続きを進めます。
1. 保健所での飲食店営業許可取得
まず、営業所の所在地を管轄する保健所で飲食店営業許可を取得する必要があります。深夜酒類提供の届出は、この許可を取得した後に行います。
2. 用途地域の確認
市役所や区役所で用途地域証明書を取得し、営業可能な地域であることを確認します。
3. 必要書類の準備
広島県警察の定める必要書類を準備します。詳細は次のセクションで説明します。
4. 管轄警察署への届出
営業所の所在地を管轄する警察署(生活安全課)に、営業開始の10日前までに届出書類一式を提出します。この10日前という期限は厳守する必要があります。
5. 受理と営業開始
届出が受理されれば、届出日から10日後以降に営業を開始できます。
広島県警察への届出に必要な書類
広島県で深夜酒類提供飲食店営業の届出を行う際に必要な書類は以下の通りです。
| 書類名 | 必要数 | 備考 |
|---|---|---|
| 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書(別記様式第47号) | 1部 | 広島県警察の指定様式 |
| 営業の方法を記載した書類(別記様式第48号) | 1部 | 広島県警察の指定様式 |
| 営業所の平面図 | 1部 | 客室面積、照明設備等を記載 |
| 飲食店営業許可証の写し | 1部 | 保健所発行、名義・有効期間要確認 |
| 用途地域証明書等 | 1部 | 市役所・区役所等で取得 |
| 賃貸契約書の写し等 | 1部 | 営業所の使用権原を証明 |
| 住民票の写し | 1部 | 本籍(国籍)記載のもの、3ヶ月以内発行 |
これらの書類は、広島県警察の手続様式ダウンロードコーナーからダウンロードできる場合があります。
深夜酒類提供飲食店における従業者名簿の備付け義務
深夜酒類提供飲食店営業を行う場合、営業所ごとに従業者名簿を備え付ける義務があります。これは、未成年者や外国人の不法就労を防止するための重要な制度です。
従業者名簿に記載すべき事項
特に接客従業者の従業者名簿には、以下の事項を記載し、確認した記録(書類)のコピーを綴っておく必要があります。
- 氏名
- 生年月日
- 国籍
- 外国人の場合は在留資格等
一般的には、「本籍(国籍)入りの住民票の写し(コピー)+運転免許証のコピー」が添付されています。外国人の場合は、在留カードのコピーも必要です。
外国人が深夜酒類提供飲食店を経営する場合の在留資格
外国人の方が広島で深夜酒類提供飲食店を経営する場合、適切な在留資格を取得する必要があります。ここでは、経営者として必要な在留資格について解説します。
経営・管理の在留資格
外国人が日本で飲食店を経営する場合、「経営・管理」の在留資格が必要となる傾向があります。この在留資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
事業所の確保
飲食店の場合、ただ部屋を借りているだけでは不十分です。以下の許可を取得し、適法に営業できる状態を整える必要があります。
- 保健所の飲食店営業許可
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届出(深夜営業を行う場合)
つまり、在留資格「経営・管理」の申請前に、これらの許認可手続きを完了させておくことが求められる傾向があります。
事業の継続性・安定性
事業計画の妥当性や資金計画の安定性も審査されます。具体的には以下の点が確認されることがあります。
- 事業計画書の内容
- 資本金の額(一定額以上が望ましい)
- 店舗の規模・立地
- 収支計画の妥当性
その他の在留資格
経営者として関わらない場合でも、以下の在留資格を持つ外国人であれば、深夜酒類提供飲食店の経営に関与できる可能性があります。
- 日本人の配偶者等
- 永住者
- 永住者の配偶者等
- 定住者
- 特別永住者
これらの在留資格は「身分系」と呼ばれ、就労に制限がないため、飲食店経営も可能です。
深夜酒類提供飲食店で外国人を雇用する場合の在留資格
深夜酒類提供飲食店で外国人を従業員として雇用する場合、その外国人が持つ在留資格によって従事できる業務内容が異なります。
飲食店における業務内容と在留資格の関係
出入国在留管理庁の公式資料によると、飲食店における業務と在留資格の関係は以下の通りです。
| 業務内容 | 技術・人文知識・国際業務 | 特定技能(外食業) | 身分系在留資格 |
|---|---|---|---|
| 調理業務 | × | ○ | ○ |
| 接客業務 | × | ○ | ○ |
| 店舗管理業務 | △(個別判断) | ○ | ○ |
| 店舗経営 | ○ | × | ○ |
特定技能(外食業分野)での深夜営業
特定技能(外食業分野)の在留資格を持つ外国人は、飲食店での調理業務や接客業務に従事できます。しかし、深夜時間帯(午後10時から午前5時まで)の就労については、一定の制約がある場合があります。
特定技能1号(外食業分野)の場合、午後10時までの業務であれば問題ないケースが多い傾向があります。深夜時間帯の就労については、個別の状況を確認することが重要です。
資格外活動許可を持つ留学生の雇用
資格外活動許可を持つ留学生を雇用する場合、以下の制限があります。
- 週28時間以内の就労時間制限
- 午後10時から午前5時までの深夜時間帯の就労は原則禁止
深夜酒類提供飲食店は深夜時間帯の営業が中心となる傾向があるため、留学生の雇用には注意が必要です。
身分系在留資格を持つ外国人の雇用
以下の身分系在留資格を持つ外国人は、就労制限がないため、深夜時間帯を含めて自由に就労できます。
- 日本人の配偶者等
- 永住者
- 永住者の配偶者等
- 定住者
- 特別永住者
深夜酒類提供飲食店で外国人を雇用する際は、必ず在留カードで在留資格を確認し、従業者名簿に記録することが求められます。
風俗営業との違いと注意点
深夜酒類提供飲食店営業と風俗営業(接待飲食店営業)は異なる制度です。両者の違いを理解しておくことが重要です。
接待行為の有無
風俗営業(接待飲食店営業)に該当するのは、客に接待を行う飲食店です。接待とは、以下のような行為を指します。
- 特定の客に継続して接する行為
- 客と一緒にカラオケを歌う、ダンスをする
- 客と密接な距離で会話する
接待行為を行う場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出ではなく、風俗営業の許可が必要となります。風俗営業の許可は、届出よりも厳格な審査が行われる傾向があります。
外国人雇用の制限
深夜酒類提供飲食店では、適切な在留資格を持つ外国人であれば雇用できますが、風俗営業許可を受けた店舗では、身分系在留資格を持つ外国人のみ雇用可能です。
就労系の在留資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能等)や資格外活動許可を持つ留学生は、風俗営業許可を受けた店舗では就労できません。
深夜酒類提供飲食店営業に関するよくある失敗
深夜酒類提供飲食店営業を始める際、以下のような失敗が見られることがあります。
届出前に営業を開始してしまう
届出は営業開始の10日前までに行う必要があります。届出前に営業を開始すると、風営法違反となり、罰則が科されるケースがあります。
用途地域を確認せずに物件契約
住居系地域では深夜酒類提供飲食店営業ができません。物件を契約する前に、必ず用途地域を確認しましょう。
構造設備の基準を満たさない店舗設計
客室面積や照明設備などの基準を満たさない状態で内装工事を進めてしまうと、後から改修が必要となり、余計な費用がかかるケースがあります。
外国人従業員の在留資格を確認しない
不法就労助長罪は重い罰則が設けられています。外国人を雇用する際は、必ず在留カードで在留資格を確認し、就労可能な資格であることを確認する必要があります。
広島で深夜酒類提供飲食店を開業するなら専門家にご相談を
深夜酒類提供飲食店営業の届出手続きは、構造設備の基準確認や用途地域の調査など、専門的な知識が求められます。また、外国人が経営者や従業員として関わる場合は、在留資格の確認も重要です。
当事務所では、広島県における深夜酒類提供飲食店営業の届出手続きから、外国人の在留資格に関するご相談まで、トータルでサポートいたします。開業前の相談から、届出書類の作成、警察署への届出代行まで、お任せください。
特に、以下のようなケースでは専門家のサポートが有効です。
- 初めて深夜営業の届出を行う方
- 外国人が経営者として開業する場合
- 外国人従業員を雇用する予定がある場合
- 構造設備の基準を満たすか不安な方
- 用途地域の確認方法が分からない方
まずは無料相談で、あなたの状況をお聞かせください。開業までの最適なスケジュールと必要な手続きをご提案いたします。
まとめ
広島で深夜酒類提供飲食店を開業する際は、営業開始の10日前までに管轄警察署への届出が必要です。用途地域の確認や構造設備の基準を満たすことが求められます。
また、外国人が経営者として開業する場合は「経営・管理」の在留資格が、従業員として就労する場合は適切な在留資格が必要となります。深夜時間帯の就労については、在留資格によって制限があるケースもあるため、注意が必要です。
開業準備は多岐にわたります。スムーズな開業のために、早めに専門家へご相談されることをお勧めします。
当事務所では、深夜酒類提供飲食店営業の届出手続きと在留資格に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。(登録申請中4月開業予定)