「建設業許可くらい、自分で申請できるのでは」——広島で事業を営む方から、そんな声をよく聞きます。結論から言えば、建設業許可の申請に資格は必要ありません。つまり、事業者本人が自分で手続きしても、法律上まったく問題がないのです。ところが実務では、途中で手が止まってしまう方が少なくありません。そこで本記事では、建設業許可を自分で取ろうとしたときに広島の申請で挫折しやすい点を、工程の順に整理します。

建設業許可を自分で申請することは広島でも可能

まず前提を確認しましょう。建設業法は、申請を行政書士に依頼しなければならないとは定めていません。したがって、要件さえ満たしていれば、社長本人でも経理担当者でも窓口に書類を提出できます。広島県知事許可であれば、提出先は主たる営業所を所管する建設事務所です。たとえば廿日市市・広島市・大竹市を営業所とする場合、西部建設事務所建設業課(082-250-8161)が窓口になります。管轄の一覧は広島県「建設業の許可制度について」で確認できます。

なお、税込500万円未満の軽微な工事だけを請け負うのであれば、そもそも許可は不要です。この線引きは無許可でできる工事の上限を解説した記事で詳しく整理しました。

建設業許可申請を考えるイメージし写真

広島で自分で申請するときの流れと費用

自分で取ると決めたら、全体像を先に押さえておくと迷いにくくなります。広島県知事許可の一般的な流れは、次のとおりです。

工程やること目安
①要件確認6つの許可要件を満たすか判断する数日〜数週間
②資料収集登記事項証明書、納税証明書、契約書などを集める2週間〜2か月
③書類作成県指定の様式で申請書一式を作る1〜2週間
④申請建設事務所の窓口、または電子申請で提出1日
⑤審査標準処理期間はおおむね45日約1か月半

法定手数料は、広島県知事許可の新規で9万円、更新と業種追加はそれぞれ5万円です(国土交通省「許可申請の手続き」)。ただし、審査の45日はあくまで書類が受理されてからの日数です。そのため、準備期間を含めると、着手から取得まで3か月前後を見込むのが現実的だといえます。期間の内訳は建設業許可の取得期間をまとめた記事もご覧ください。

広島の申請で挫折しやすい5つのポイント

ここからが本題です。ご相談を受ける中で、自力申請が止まりやすい場面は、おおむね次の5つに集約されます。

ポイント1|要件は満たしているのに証明できない

最も多いのが、この壁です。経営業務の管理責任者(常勤役員等)も営業所技術者も、「経験がある」だけでは足りず、書類で裏づける必要があります。たとえば実務経験10年で営業所技術者になる場合、10年分の請負契約書や注文書、請求書と入金記録を並べなければなりません。ところが、古い書類ほど散逸しているものです。したがって、資料が手元に残っているかどうかが、自力申請の成否をほぼ決めてしまいます。

要件そのものは国土交通省「許可の要件」で確認できます。また、常勤性の考え方については経営業務管理責任者の要件と常勤性を解説した記事で詳しく触れました。

ポイント2|書類の有効期限が切れて集め直しになる

次に多いのが、期限切れによるやり直しです。自己資本500万円を残高証明書で示す場合、残高日から1か月という短い有効期限があります。つまり、証明書を先に取ってから他の資料集めに時間をかけると、提出の時点では使えなくなってしまいます。だからこそ、残高証明書は最後に取るのが鉄則です。資金面の組み立て方は自己資本500万円がないときの対処法もあわせてご確認ください。

ポイント3|古い様式や他県の情報で作ってしまう

インターネットで検索すると、他県向けの解説や旧年度の様式が数多く出てきます。しかし、広島県には県独自の確認資料と様式があり、そのまま流用すれば差し戻しになります。現在の様式は「令和7年1月以降の申請・届出等に使用する様式」で、令和8年3月にも一部が改訂されました。そのため、必ず広島県の許可申請書様式広島県「建設業許可申請の手引き」の最新版から出発してください。

ポイント4|電子申請の準備でつまずく

広島県では、令和5年1月10日から建設業許可の電子申請を受け付けています。国が用意したJCIPというシステムを使う方法で、窓口へ出向かずに申請できる点は大きな利点です。ただし、利用にはデジタル庁が所管するGビズIDが必要で、アカウントの取得には日数がかかります。さらに、事業承継に関する申請や、有効期間満了まで30日未満となった更新申請などは、電子申請の対象外とされています。

もっとも、窓口申請も従来どおり受け付けられています。どちらを選ぶかは、期限までの余裕で判断するとよいでしょう。詳細は広島県「建設業許可・経営事項審査の電子申請について」国土交通省のJCIP案内をご確認ください。

ポイント5|平日の日中に動く時間が取れない

現場に出ている事業者ほど、この点が重くのしかかります。建設事務所も法務局も市役所も、開いているのは平日の日中だけだからです。しかも広島県は収入証紙を廃止しているため、手数料は現金または納付書で納めることになります。なお、令和8年10月1日からは窓口でキャッシュレス決済も利用できるようになります(広島県「手数料の納付方法について」)。結果として、一度で終わらなかった場合は、そのたびに現場を空けることになります。

建設業許可申請を出すイメージ

自分で取るか専門家に頼むかの判断チェック

では、どこで線を引けばよいのでしょうか。次の表で、ご自身の状況に近い方を選んでみてください。

確認項目自力で進めやすい依頼を検討したい
経営経験の証明登記や確定申告書がそろっている資料が古く、散逸している
技術者の要件国家資格を持っている実務経験10年を書類で組む
財産的基礎決算書で500万円を示せる残高証明書で組み立てる
使える時間平日に窓口へ行ける現場をなかなか離れられない
期限急いでいない元請から期限を切られている

右側に当てはまる項目が多いほど、自力申請は長期戦になりがちです。とりわけ、元請から取引開始の条件として期限を示されている場合は、時間を買うという判断も選択肢に入ります。この場面については元請から建設業許可を求められたときの対応で詳しく解説しました。なお、難しさの全体像は建設業許可を自分で取るのは難しい?でも整理しています。

建設業許可を自分で取る際のよくある質問

自分で申請すると、どのくらい費用を抑えられますか

行政書士報酬が不要になるため、新規なら法定手数料の9万円と、証明書の発行手数料などの実費で済みます。もっとも、補正や再訪問が重なれば、そのぶん現場が止まります。費用と時間のどちらを優先するかで、答えは変わってきます。

電子申請にすれば、自分でも簡単になりますか

移動の負担は確実に減ります。しかし、要件を証明する資料の中身は、紙でも電子でも変わりません。つまり、電子申請は窓口へ行く手間を減らす仕組みであって、要件判断まで肩代わりしてくれるわけではないのです。

途中まで自分で進めた場合、後から依頼できますか

もちろん可能です。集めた資料はそのまま活かせますし、不足分だけを補う形で進められます。むしろ、申請前の段階でご相談いただいたほうが、遠回りを避けられます。任せ方の目安は建設業許可の申請代行についての記事をご参照ください。

広島・廿日市で建設業許可にお悩みなら

建設業許可を自分で取ること自体は、十分に可能です。ただし、広島の申請で挫折しやすい点は、要件そのものよりも「証明」と「段取り」に集中しています。だからこそ、着手する前に手元の資料を棚卸ししておくだけで、結果は大きく変わります。行政書士江島世鉉事務所では、広島県内全域を対象に、要件の見極めから申請までをお手伝いしております。自分で進めるか迷っている段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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行政書士江島世鉉事務所(広島県行政書士会 広島西支部/登録番号 26341147)
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広島・廿日市建設業許可相談オフィス

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