古物商営業場所には法律上の明確なルールがあり、「営業所」「相手方の住所・居所」「仮設店舗」など、取引できる場所が限定されています。そのため、広島市で中古品買取業を始めたい方が「お客様の自宅に訪問して買取したい」「デパートの催事場で出店したい」と考えた場合、どのような許可や届出が必要になるのか、正確に理解しておく必要があります。

この記事では、古物商営業場所のルールについて、行政書士の視点から分かりやすく解説します。営業所での取引、行商(ぎょうしょう)による出張買取、仮設店舗での販売など、それぞれのケースで必要となる手続きを具体例とともにご紹介します。

古物商営業場所の基本ルール

古物営業法では、古物商が古物を取引できる場所が厳格に定められています。具体的には、以下の3つの場所に限定される傾向があります。

  • 営業所(許可申請時に届け出た店舗)
  • 相手方の住所・居所(行商許可が必要)
  • 仮設店舗(行商許可+事前届出が必要)

このため、古物商許可を取得する際には、自分のビジネススタイルに合わせて「営業所のみで営業するのか」「行商(出張買取)もするのか」を明確にしておくことが求められます。

古物商営業場所が制限される理由

古物営業場所が制限される背景には、盗品の流通防止という目的があります。古物商は中古品を扱うため、盗品が混入するリスクがあります。そのため、警察が営業実態を把握しやすいよう、営業場所を届出制にする方向で運用されています。

また、消費者保護の観点からも、営業所の所在地を明確にすることで、トラブルが発生した際に消費者が相談しやすくなるというメリットがあります。

営業所での古物商営業

古物商許可証のイメージ

古物商許可を取得した場合、まず基本となるのが「営業所」での営業です。営業所とは、許可申請書に記載した正式な店舗所在地のことを指します。

営業所で取引できる内容

営業所では、以下のような取引が可能です。

  • 一般客(個人・法人)からの中古品買取
  • 一般客への中古品販売
  • 他の古物商との取引(買取・販売)

したがって、広島市内に店舗を構えて中古品販売を行う場合、営業所での営業許可があれば、店内での買取・販売はすべて適法に行える傾向があります。

広島市での営業所の具体例

例えば、広島市中区に中古パソコン店を開業した場合、以下のような営業が可能です。

  • お客様が店舗に持ち込んだノートPCを買取する
  • 店内に展示した中古スマートフォンを販売する
  • 他の古物商から中古家電をまとめて仕入れる

ただし、営業所以外の場所で取引したい場合は、後述する「行商」や「仮設店舗」のルートが必要になります。

行商(ぎょうしょう)とは

行商(ぎょうしょう)とは、店舗を構えず、商品を持って動きながら商売をする営業形態を指します。古物商の文脈では、「行商する」として許可を受けることで、営業所以外の場所でも一般客から古物を買取できるようになります。

行商許可で可能になること

「行商する」で古物商許可を取得した場合、以下のような営業が可能になります。

  • 一般客の自宅や事務所に訪問して買取する
  • お客様の指定する場所で古物を引き取る

ただし、行商許可があっても、営業所以外の場所で取引できるのは「相手方の住所・居所」に限られる傾向があります。つまり、お客様の自宅や会社の所在地で買取はできますが、公園や駅前などの公共の場所で勝手に買取することはできません。

広島市での行商の具体例

広島市安佐南区で中古家電買取業を営む場合、以下のような行商が考えられます。

  • 広島市西区在住のお客様の自宅に訪問し、使用済みのテレビや冷蔵庫を買取する
  • 広島市南区の工場に赴き、事業用の中古機械を買取する
  • お客様の引っ越し先(広島県内)で、不要になった家具を引き取る

このように、行商許可があれば、お客様の元に出向いて買取できるため、出張買取サービスを提供したい事業者にとっては必須の許可となります。

行商許可の申請方法

行商許可は、古物商許可申請時に「行商する」にチェックを入れることで取得できます。広島県内で古物商許可を申請する場合は、営業所の所在地を管轄する警察署(広島市内であれば広島中央警察署など)に申請書を提出します。

行商許可を取得する際の注意点として、申請書に「行商する」と明記しなければ、後から行商を始めることができません。そのため、将来的に出張買取を検討している場合は、最初の申請時に「行商する」を選択しておく方向が推奨されます。

詳しい古物商許可の申請手続きについては、警視庁の古物営業許可申請手続きのページも参考になります。

仮設店舗での古物商営業

仮設店舗とは、デパートの催事場やイベント会場などに一時的に設置される店舗のことを指します。古物商が仮設店舗で営業する場合、「行商する」の許可に加えて、事前に警察署への届出が必要になります。

仮設店舗営業の要件

仮設店舗で古物を取引するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 「行商する」で古物商許可を取得していること
  2. 仮設店舗の日時・場所を事前に警察署に届け出ること(通常、営業開始の3日前まで)

したがって、仮設店舗での営業を計画している場合は、まず「行商する」で古物商許可を取得し、その後、イベントごとに仮設店舗営業届出書を提出する流れとなります。

広島市での仮設店舗の具体例

広島市中区の百貨店で期間限定の催事を行う場合、以下のような営業が考えられます。

  • 広島そごうの催事場に期間限定で中古ブランドバッグ店を出店し、一般客からバッグを買取する
  • 広島本通り商店街のイベントブースで、骨董品を販売する
  • 広島市内のフリーマーケット会場で、中古アクセサリーを買取・販売する

このような催事出店を行う場合、イベント開催のたびに管轄の警察署(例:広島中央警察署)に仮設店舗営業届出書を提出する必要があります。

仮設店舗営業届出の提出先

仮設店舗営業届出書の提出先は、仮設店舗を設置する場所によって異なります。

仮設店舗の設置場所の都道府県に営業所がある場合:

  • 仮設店舗を設けようとする場所を管轄する警察署に直接提出します。
  • 例:広島市中区に営業所があり、広島市西区の催事場で仮設店舗を出す場合 → 広島西警察署に届出を提出

仮設店舗の設置場所の都道府県に営業所がない場合:

  • 仮設店舗を設けようとする場所を管轄する警察署、または営業所の所在地を管轄する警察署のいずれかに提出できます。
  • 例:広島市に営業所があり、大阪市のデパート催事場で仮設店舗を出す場合 → 大阪府の管轄警察署、または広島市の管轄警察署のどちらかに届出を提出

このように、仮設店舗の場所によって提出先が変わるため、事前に管轄の警察署に確認しておくことが推奨されます。広島県警察の古物営業に関する情報は、広島県警察公式サイトで確認できます。

古物商営業場所のパターン別まとめ

ここまでの内容を、ビジネスの形態別に整理すると、以下のようになります。

ビジネス形態必要な許可・届出営業可能な場所
店舗のみで営業古物商許可(営業所)営業所のみ
出張買取も行う古物商許可(行商する)営業所+相手方の住所・居所
催事・イベント出店古物商許可(行商する)+仮設店舗営業届出営業所+相手方の住所・居所+仮設店舗

このように、自分のビジネスモデルに応じて、必要な許可と届出を整理しておくことが重要です。

よくある間違いと注意点

「行商しない」で申請した場合の制限

古物商許可を「行商しない」で取得した場合、一般客からの買取は営業所のみに制限される傾向があります。そのため、お客様の自宅に訪問して買取することや、デパートの催事場で買取することはできません。

もし、後から行商を始めたくなった場合は、変更届を提出する必要がありますが、手続きに時間がかかる可能性があります。したがって、将来的に出張買取を検討している場合は、最初から「行商する」で申請しておくことが推奨されます。

仮設店舗営業届出を忘れた場合

たとえ「行商する」で古物商許可を取得していても、仮設店舗営業届出を提出しないまま催事場やイベント会場で買取を行うと、古物営業法違反となる可能性があります。

広島市内で催事出店を計画する際は、必ず事前に管轄の警察署に届出を行うよう注意が必要です。届出の期限は通常、営業開始の3日前までとされていますが、警察署によって異なる場合があるため、早めに確認しておくことが推奨されます。

他の古物商との取引には場所制限がない

なお、他の古物商との取引(古物商間取引)については、営業所や相手方の住所といった場所制限がほとんどない傾向があります。そのため、古物市場やオークション会場での取引は、「行商する」の許可がなくても可能なケースが多いです。

広島市で古物商許可を取得する際のポイント

営業所の選定

広島市で古物商許可を取得する際、営業所の選定は非常に重要です。営業所は、賃貸契約書や不動産登記簿謄本などで所在地を証明する必要があるため、事前に物件の用途が「古物営業」に適しているかを確認しておく必要があります。

特に、賃貸物件の場合は、賃貸借契約書に「事業用」または「古物営業可」と明記されているかを確認しておくことが推奨されます。

行商の有無の判断基準

「行商する」か「行商しない」かを判断する際の基準は、以下の通りです。

  • 「行商する」を選ぶべきケース: 出張買取、訪問買取、催事出店、イベント販売などを予定している場合
  • 「行商しない」を選ぶべきケース: 店舗内での買取・販売のみで、出張買取や催事出店を一切予定していない場合

ただし、ビジネスの拡大を見越して、最初から「行商する」で申請しておく方向が、多くのケースで推奨されます。

申請書類の記載方法

古物商許可申請書には、「行商をするかしないか」を記載する欄があります。この欄にチェックを入れ忘れると、後から行商を始めることができなくなるため、注意が必要です。

また、営業所の所在地、取り扱う古物の区分(13品目)、管理者の氏名などを正確に記載する必要があります。申請書類の書き方に不安がある場合は、行政書士に相談することで、スムーズに手続きを進めることができる傾向があります。

古物商営業場所に関する法令の確認

古物営業法では、営業所の届出、行商の要件、仮設店舗の届出などが詳細に規定されています。具体的な条文については、e-Gov法令検索で「古物営業法」を検索することで確認できます。

また、警察庁の古物営業に関するページでは、最新の運用指針や通達が公開されていますので、実務の参考になる可能性があります。

令和5年・令和6年の古物商許可件数の動向

警察庁の統計によると、令和5年(2023年)から令和6年(2024年)にかけて、古物商許可の申請件数は増加傾向にあります。特に、インターネットを利用した古物取引の増加に伴い、ネット専業の古物商許可申請が増えている傾向が確認されています。

広島県内でも、令和5年以降、中古品買取業やリサイクルショップの新規開業が増加しており、古物商許可の重要性が高まっている状況です。

まとめ:古物商営業場所のルールを正しく理解しよう

古物商営業場所のルールは、「営業所」「行商」「仮設店舗」という3つのパターンで整理できます。自分のビジネスモデルに合わせて、必要な許可と届出を正確に把握しておくことが、適法な古物営業を行ううえで重要です。

広島市で古物商許可を取得する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 店舗のみで営業する場合は「営業所」の許可のみでOK
  • 出張買取を行う場合は「行商する」で申請
  • 催事やイベント出店を行う場合は「行商する」+「仮設店舗営業届出」が必要
  • 届出の提出先や期限は、事前に管轄の警察署に確認する

古物商許可の申請は、書類の準備や営業所の要件確認など、専門的な知識が求められる手続きです。当事務所では、広島市をはじめとする広島県内の古物商許可申請を多数サポートしております。申請書類の作成から提出まで、トータルでサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

古物商許可申請でお困りの方は、ぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。経験豊富な行政書士が、お客様のビジネスに最適な許可取得方法をご提案いたします。(登録申請中4月開業予定)

行政書士江島世鉉事務所(登録申請中4月開業予定)

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