「そろそろ終活を始めたい」と考えたとき、多くの方が最初に手に取るのがエンディングノートです。しかし、いざ書こうとすると「何を書けばいいのかわからない」と、ペンが止まってしまう方も少なくありません。そこでこの記事では、エンディングノートの書き方を、記載する項目や遺言書との違いとあわせて、広島・廿日市の行政書士がわかりやすく解説します。
エンディングノートとは?終活で最初に取り組みたい一冊
エンディングノートとは、自分にもしものことがあったときに備え、家族へ伝えたい情報や希望を書き留めておくノートのことです。終活ノートとも呼ばれ、財産のありかから医療の希望、葬儀の考え方まで、幅広い内容を自由に記せます。
もっとも、この一冊は「遺言書」とは役割が異なります。というのも、エンディングノートには法的な効力がないからです。つまり、財産を誰にどう分けるかといった希望は、ノートに書いても法律上は実現できません。だからこそ、両者の違いを知ったうえで書き始めることが大切です。
エンディングノートと遺言書の違いを比較
まずは、二つの書類の違いを表で整理しておきましょう。
| 項目 | エンディングノート | 遺言書 |
|---|---|---|
| 法的効力 | なし | あり |
| 書き方の決まり | 自由 | 民法の要件あり |
| 書ける内容 | 情報・気持ちなど制限なし | 主に相続・財産に関する事項 |
| 費用 | ほぼかからない | 自筆はほぼ無料、公正証書は費用が必要 |
このように、エンディングノートは自由に書ける一方で、法的な拘束力を持ちません。反対に、遺言書は形式が厳格ですが、財産の分け方を確実に指定できます。したがって、気持ちや情報を伝えたいならノート、相続を法的に確定したいなら遺言書、と使い分けるのが基本です。
なお、自筆で遺言を残す場合の要件は2019年に一部緩和され、財産目録はパソコンでの作成も認められました。詳しくは法務省「自筆証書遺言に関するルールが変わります」をご覧ください。さらに、書いた遺言書を法務局が預かる制度もあり、こちらは法務省「遺言書保管制度とは?」で確認できます。

エンディングノートに書く項目|書き方の基本
ここからは、エンディングノートに何を書くのか、代表的な項目を見ていきましょう。決まった様式はありませんが、次の5つをおさえると全体像がつかめます。
自分自身の基本情報
はじめに、自分に関する基本情報をまとめます。氏名や生年月日、本籍地はもちろん、健康保険証や年金の番号、かかりつけ医なども書いておくと、家族が各種手続きの際に困りません。
財産・デジタル関係の情報
次に大切なのが、お金にまつわる情報です。預貯金の口座、加入している保険、不動産、借入金などを一覧にしておきましょう。とりわけ近年は、ネット銀行やサブスクリプションといった「デジタル遺品」が見落とされがちです。そのため、IDの手がかりや契約先を残しておくと、家族が解約もれを防げます。
医療・介護の希望
もしものときに備え、医療や介護の希望も書いておくと安心です。たとえば、延命治療を望むかどうか、介護をどこで受けたいかといった内容が挙げられます。こうした希望をあらかじめ共有しておけば、家族が難しい判断を迫られたときの支えになります。
葬儀・お墓・供養の希望
葬儀やお墓についての考えも、大切な項目のひとつです。葬儀の規模や宗教、お墓を今後どうしたいかを書き添えておきましょう。なお、お墓の生前整理を検討している方には、生前の墓じまいと終活の進め方の記事もあわせて参考になります。
家族へのメッセージ
最後は、家族や大切な人へのメッセージです。感謝の言葉や思い出は、法的な書類には残しにくいものです。ところが、エンディングノートなら自由な言葉で伝えられます。ここが、遺言書にはないノートならではの魅力といえます。
エンディングノートの書き方のコツ|挫折しない3つの工夫
項目がわかっても、いざ書くとなると身構えてしまうものです。そこで、途中で挫折しないための工夫を3つ紹介します。
第一に、書けるところから埋めていくことです。順番どおりに進める必要はないので、基本情報など書きやすい項目から始めましょう。第二に、鉛筆や付箋を使い、いつでも直せるようにしておくことです。気持ちや状況は時間とともに変わります。そのため、一度で完成させようと気負わないほうが長続きします。第三に、保管場所を家族に伝えておくことです。せっかく書いても、存在を知られなければ役に立ちません。ただし、口座の暗証番号などは、防犯のためノート本体とは分けて管理すると安心です。
エンディングノートの書き方でよくある質問
エンディングノートに相続の希望を書けば有効ですか?
残念ながら、ノートに「この財産は長男に」と書いても、法的な効力はありません。したがって、相続を確実に実現したいなら遺言書が必要です。両者の関係は、遺言書の効力と無効になるケースの記事でも詳しく解説しています。
市販のノートとパソコン、どちらで作るべきですか?
どちらでも構いません。手書きは思いが伝わりやすく、パソコンは修正が簡単です。一方で、データで作る場合は、家族がファイルを開けるよう保存先を伝えておく必要があります。ご自身に合った方法を選びましょう。
いつから書き始めればよいですか?
早すぎるということはありません。むしろ、元気なうちに書き始めるほうが、内容も充実します。とはいえ、一度で仕上げる必要はないため、思い立ったときに少しずつ進めれば十分です。
廿日市でエンディングノートや遺言の準備に迷ったら
エンディングノートは、これからの人生を見つめ直し、家族への思いやりを形にする前向きな準備です。とはいえ、書き進めるうちに「これは遺言書にすべきでは」「相続の手続きはどう進むのか」といった疑問が出てくることもあります。そんなときは、専門家に相談すると安心です。
行政書士江島世鉉事務所では、広島県廿日市市を中心に、遺言書の作成サポートから相続手続きまで幅広くお手伝いしています。何から準備すればよいか迷う方は、相続手続きは何から始めるかの解説記事もご覧ください。まずはお気軽にご相談ください。なお、LINEからのお問い合わせも受け付けています。
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