入管法厳格化が加速―今すぐ確認すべきポイント

「入管法の厳格化に備えたチェックリストのイメージ」

令和6年から令和8年にかけて、入管法厳格化が急速に進んでいます。帰化申請の居住要件引き上げや、永住許可ガイドラインの改定など、すでに施行済みの改正も少なくありません。さらに、令和9年以降も大きな制度変更が控えています。

そこでこの記事では、対応済みの改正と今後の予定をポイントに絞ってお伝えします。「自分のビザは大丈夫?」と不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。


【対応済み】すでに施行された入管法の厳格化一覧

まず、すでに施行済みの主な改正を確認しましょう。以下の表に要点をまとめています。

項目施行時期ポイント
難民申請(送還)令和6年6月10日3回目以降の申請者は原則送還対象に
経営・管理ビザ令和7年10月16日資本金3,000万円・常勤1名雇用・日本語要件が必須に
永住ガイドライン改定令和8年2月24日社保未納2年確認・最長在留期間の厳格化
帰化申請(居住・納税)令和8年4月1日原則10年居住・納税5年確認・社保2年確認
在留カードオンライン化令和8年1月〜更新・再交付が原則オンライン申請のみに

それぞれのポイントを簡潔に解説します。


帰化申請の厳格化―居住10年・納税5年の新運用

令和8年4月1日から、帰化申請の審査運用が大きく変わりました。従来「5年以上」とされていた居住要件が、運用上「原則10年以上」に引き上げられています。

加えて、納税状況の確認期間が直近5年分に拡大される方向です。さらに、社会保険料の納付状況も直近2年分が確認される傾向があります。

つまり、「日本社会との融和」を客観的に示すハードルが高くなったと考えられます。なお、国籍法そのものの改正ではなく、審査運用の変更である点に注意が必要です。


永住許可ガイドライン改定の要点

令和8年2月24日に改定された永住許可に関するガイドライン(出入国在留管理庁)では、以下の点が注目されます。

  • 社会保険料・税金の納付期限遵守:申請時に納付済みでも、本来の期限内に履行されていない場合は消極的に評価される可能性があります
  • 最長在留期間の経過措置:令和9年3月31日までは在留期間「3年」でも要件を満たすものとして扱われる見込みです
  • 後出し納付が不利に:納付期限を過ぎてから慌てて支払うケースは、審査で不利になる傾向があります

永住許可を目指す方は、日頃から税金・社会保険料の期限内納付を徹底することが重要です。


経営・管理ビザと在留カードの変更点

経営・管理ビザについては、令和7年10月16日から要件が大幅に引き上げられました。具体的には、資本金3,000万円以上、常勤従業員1名以上の雇用、そして日本語能力要件が必須とされています。

一方、在留カードのオンライン化も令和8年1月から始まっています。更新や再交付の手続きが原則オンライン申請に移行しました。そのため、デジタル環境の準備が欠かせない状況です。


【今後の予定】これから施行される入管法厳格化

次に、今後予定されている主な改正を見ていきましょう。

項目予定時期ポイント
在留資格情報連携令和8年春〜未払い税・社保情報を全在留資格審査で活用
特定在留カード令和8年6月14日マイナンバーと一体化・生体情報記録・偽造防止強化
永住許可取消制度令和9年4月〜税・社保の故意未納で永住取消が可能に
永住(日本語・収入)令和9年4月〜日本語能力・収入要件の追加
育成就労制度令和9年内特定技能移行時にN4等の日本語能力が必須
JESTA(電子渡航認証)令和12年3月までビザ免除国に事前審査を義務化

特に影響が大きい項目を解説します。


特定在留カード―マイナンバー一体化の影響

令和8年6月14日から、特定在留カードの運用が開始される予定です(出入国在留管理庁)。これは在留カードとマイナンバーカードを1枚に統合するものです。

主な特徴は次のとおりです。

  • IC化・生体情報記録:指紋・顔認証情報が記録され、偽造防止が強化されます
  • 空港自動ゲート対応:出入国手続きの効率化が期待されます
  • マイナ保険証としても利用可能:利便性が向上する一方、管理も厳格化する見込みです

ただし、取得は任意とされています。従来の在留カードも引き続き使用できる見込みです。とはいえ、今後の手続きの利便性を考えると、切り替えを検討する価値はあるでしょう。


永住取消制度と日本語・収入要件の追加

令和9年4月以降、永住許可に関して2つの大きな変更が予定されています。

①永住許可の取消制度 税金や社会保険料を故意に未納した場合、永住資格が取り消される可能性があります。つまり、永住許可を取得した後も、納税義務の遵守が求められることになります。

②日本語能力・収入要件の追加 永住申請時に日本語能力や一定の収入が要件として追加される方向で検討が進んでいます。したがって、永住申請のハードルがさらに上がることが予想されます。


育成就労制度とJESTA―令和9年以降の注目制度

育成就労制度は、技能実習制度を発展的に解消して新設される制度です。出入国在留管理庁の資料によると、令和9年4月1日から運用が開始される予定です。

特定技能1号への移行には、技能検定3級等の合格に加え、日本語能力N4以上が必須となります。そのため、就労ビザを通じた外国人雇用を検討する企業にとっても、大きな影響が生じる可能性があります。

また、**JESTA(電子渡航認証)**は、ビザ免除国からの入国者に事前審査を義務化する制度です。当初、令和12年頃の導入が予定されていましたが、令和10年度中への前倒しが検討されています。配偶者ビザで来日を検討している方の家族にも、影響が及ぶ場合があるかもしれません。


入管法厳格化に備えて今やるべきこと

以上のとおり、入管法の厳格化は広範囲にわたっています。では、具体的にどう備えればよいのでしょうか。

今すぐ取り組みたい3つのこと:

  1. 税金・社会保険料を期限内に納付する → 永住・帰化・在留更新のすべてに影響する最重要ポイントです
  2. 自分の在留資格と期限を確認する → 特に永住申請を検討中の方は、令和9年3月末の経過措置期限に注意が必要です
  3. 専門家に早めに相談する → 制度が複雑化しているため、個別の状況に応じた対策が求められる傾向があります

なお、この記事の内容は令和8年3月31日時点の情報に基づいています。法改正や運用変更は随時行われるため、最新情報は必ず出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。

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