「東京で働いていて、広島の実家を相続することになった。けれど平日は休めず、なかなか現地へ行けない」。遠方の実家の相続では、こうした声がとても多く聞かれます。相続の手続きは、役所や法務局、銀行など平日の日中しか開いていない窓口を回る場面が多いものです。しかも実家が遠ければ、一度動くだけで交通費も丸一日もかかります。この記事では、平日に動けない方でも遠方の実家の相続を無理なく進めるコツを、広島・廿日市の行政書士が整理します。

遠方の実家の相続で「平日動けない」が壁になる理由

まず、なぜ遠方の相続がこれほど大変なのかを整理しましょう。相続手続きの多くは、平日の日中しか対応してもらえません。たとえば、戸籍を集める市区町村の窓口、名義変更を行う法務局、預貯金を動かす銀行などです。一方で、これらの窓口が実家のある地元に集中していると、遠方に住む相続人は身動きがとりにくくなります。結果として、何度も有給をとって往復する羽目になりがちです。とはいえ、近年の制度改正で「行かずに済ませる」方法はぐっと増えました。そこで次章から、平日に動けない方でも進められる具体策を見ていきます。

平日に動けなくても進む|遠方の相続でまず押さえる制度

戸籍は「広域交付」で自宅の近くでも取れる

以前は、実家の本籍地まで出向くか、遠くの役所へ郵送で請求する必要がありました。ところが2024年3月から始まった「広域交付制度」により、本籍地が遠方でも、お住まいの近くの市区町村窓口でまとめて戸籍を取得できます。つまり、広島の実家の戸籍を、東京や大阪の窓口で請求できるわけです。ただし、請求できるのは本人や直系の親族に限られ、窓口には本人が出向く必要があります。制度の詳細は法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」をご覧ください。なお、戸籍集めの全体像は相続人の調べ方・戸籍の集め方でも解説しています。

相続登記は3年以内が義務|遠方でも郵送・オンラインで

次に押さえたいのが、相続登記の期限です。2024年4月1日から、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、登記を申請することが義務になりました。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。詳しくは法務省「相続登記の申請義務化」をご確認ください。もっとも、法務局への申請は郵送やオンラインでも可能です。したがって、遠方の実家でも現地へ行かずに手続きを進められます。ただし、登記申請そのものの代理は司法書士の業務です。当事務所では、提携する司法書士と連携して対応します。

相続税の申告は「10か月以内」に要注意

さらに、相続税がかかる場合は申告期限にも気をつけましょう。相続税の申告と納税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内と定められています。遠方でのやり取りに手間取るうちに、期限が迫ってしまうケースも少なくありません。期限の詳細は国税庁「相続税の申告と納税」で確認できます。なお、税額の計算や申告は税理士が担当するため、当事務所では税理士と連携して進めます。

遠方の実家の相続をラクにする3つの進め方

郵送・オンラインでできることを最大化する

第一に、現地へ行かずに済む手段をとことん使いましょう。前述のとおり、相続登記は郵送やオンラインで申請できます。銀行の相続手続きも、書類を郵送でやり取りできる金融機関が増えてきました。こうして「行かない選択肢」を積み重ねれば、平日の外出を大きく減らせます。

「法定相続情報一覧図」で手続きを一気に効率化

第二に、法定相続情報一覧図を作っておくと、遠方の相続が驚くほど楽になります。これは、集めた戸籍の内容を一枚の家系図にまとめ、法務局が無料で証明してくれる制度です。写しがあれば、分厚い戸籍の束を各金融機関へ何度も出し直す必要がなくなります。しかも、必要な枚数を無料で交付してもらえるため、複数の銀行を郵送で回る方ほど恩恵が大きくなります。詳しくは法務局「法定相続情報証明制度」をご覧ください。

地元の行政書士に「現地の手足」を任せる

第三に、実家のある地元の行政書士へ任せる方法があります。行政書士は職務上請求により、戸籍を郵送で取り寄せられます。つまり、あなたが平日に窓口へ出向かなくても、戸籍収集や遺産分割協議書の作成を代行できるのです。加えて、地元の事務所であれば、現地の役所や法務局の運用にも精通しています。空き家の状況確認のお手伝いや、司法書士・税理士・不動産会社との橋渡しなど、離れて暮らす相続人の「現地の手足」として動けます。

遠方の実家が「空き家」になる前に

相続後の実家に誰も住まなければ、その家はやがて空き家になります。ところが、遠方の空き家を放置すると、管理不全のまま「特定空家」などに指定されるおそれがあります。指定されて市から勧告を受けると、住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が最大6倍になることもあります。そのため、住む予定がないなら、売却や解体といった出口も早めに考えておきましょう。具体的な処分方法は空き家の相続と処分で詳しく解説しています。

遠方の実家の相続でよくある質問

一度も実家に行かずに相続を終えられますか?

多くの手続きは、郵送やオンライン、専門家への委任で対応できます。したがって、現地へ一度も行かずに終えられるケースも珍しくありません。ただし、遺品整理や不動産の現地確認など、実際に足を運んだほうがよい場面もある点は覚えておきましょう。

兄弟が全国にバラバラです。遺産分割はどう進める?

遺産分割協議は、必ずしも全員が一堂に会する必要はありません。電話やオンラインで話し合い、遺産分割協議書を郵送で順に回して署名・押印する形でも成立します。とはいえ、話がこじれると長引くため、早めに専門家を間に入れると安心です。

平日はまったく休めません。それでも依頼できますか?

もちろん可能です。ご連絡はLINEやメールで受け付けており、打ち合わせも電話やオンラインで対応します。だからこそ、平日に動けない遠方の相続人の方にこそ、行政書士の代行が役立ちます。

広島・廿日市で遠方の実家の相続にお困りなら

遠方の実家の相続は、平日に動けないほど負担が重くのしかかります。とはいえ、広域交付や郵送申請、専門家への委任を組み合わせれば、現地へ通う回数は大きく減らせます。だからこそ、早めに全体の段取りを決めておくことが、結果として時間もお金も守る近道になります。

行政書士江島世鉉事務所では、広島県廿日市市を中心に、戸籍の収集から遺産分割協議書・法定相続情報一覧図の作成まで、遠方にお住まいの相続人の方をトータルでサポートします。登記や税務は司法書士・税理士と連携するため、窓口はひとつで安心です。まずはお気軽にご相談ください。なお、LINEからのお問い合わせも歓迎しています。

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