廿日市市でスナック開業をお考えではありませんか。「どんな許可が必要なのか分からない」「手続きが複雑そうで不安」という声はとても多いです。

しかし、必要な許可の種類や要件を事前に把握すれば、スムーズに準備を進めることが可能です。この記事では、廿日市市でスナックを開業するために必要な許可や手続きの流れを、行政書士の視点から分かりやすく解説します。


スナック開業に必要な許可の種類

許可証のイメージ図

スナックを開業する場合、営業スタイルによって必要な許可が異なります。まず、どのような許可が求められるのかを確認しましょう。

飲食店営業許可(保健所への申請)

スナックも飲食物を提供するため、飲食店営業許可が必要となります。この許可は管轄の保健所に申請します。

廿日市市の場合、管轄は広島県西部厚生環境事務所・保健所(廿日市市桜尾二丁目2-68)です。また、食品衛生責任者の資格を持つ方を配置することが求められます。なお、資格がない場合は養成講習会の受講が必要となる場合があります。

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店届出の違い

スナック開業で最も重要なポイントは、接待行為の有無です。

警察庁の風俗営業等の解釈運用基準によると、接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。つまり、お客様の隣に座って一緒にお酒を飲んだり、カラオケでデュエットしたりする行為が該当する可能性があります。

営業スタイル必要な手続き申請先
接待あり(カウンター越しでも特定の客への積極的サービス)風俗営業許可(1号営業)廿日市警察署
接待なし・深夜0時以降も営業深夜酒類提供飲食店営業届出廿日市警察署
接待なし・深夜0時前に閉店飲食店営業許可のみ西部保健所

特に注意すべき点として、風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業届出は同時に取得できないということがあります。そのため、営業スタイルを事前にしっかり決めておくことが大切です。


スナック開業のための風俗営業許可の要件

接待を行うスナックを開業するには、風俗営業許可(1号営業)が必要です。さらに、許可を取得するためには3つの要件をすべて満たす必要があります。

人的要件(欠格事由に該当しないこと)

まず確認すべきは、申請者と管理者の人的要件です。具体的には、以下のような方は許可を受けられない可能性があります。

  • 成年被後見人や被保佐人
  • 破産者で復権を得ていない方
  • 禁錮以上の刑を受けてから5年を経過していない方
  • 風営法違反で許可を取り消されてから5年を経過していない方
  • 暴力団員に該当する方

このほかにも細かな欠格事由が定められています。したがって、事前に確認しておくことが重要です。

場所的要件(用途地域と距離制限)

次に重要なのが、営業所の場所的要件です。廿日市市内であっても、どこでもスナックを開業できるわけではありません。

用途地域の制限: 風俗営業が可能な用途地域は限られています。一般的に、以下の地域では営業ができない傾向があります。

  • 第一種・第二種低層住居専用地域
  • 第一種・第二種中高層住居専用地域
  • 第一種・第二種住居地域
  • 準住居地域

保護対象施設からの距離制限(広島県の場合):

保護対象施設商業地域近隣商業地域
学校(大学を除く)・図書館70mさらに厳しい制限あり
病院・診療所(入院施設あり)10m~20m20m

距離制限は「営業所」ではなく、保護対象施設が所在する用途地域を基準に判断される点に注意が必要です。そのため、物件を契約する前に必ず用途地域と周辺施設を確認しましょう。

なお、廿日市市の用途地域は廿日市市の都市計画の概況で確認することができます。

構造的・設備的要件

加えて、営業所の構造や設備にも基準があります。

  • 客室の面積が一定以上であること
  • 客室内の見通しが確保されていること
  • 照度(明るさ)が基準を満たすこと
  • 騒音・振動の防止措置が講じられていること

具体的な数値基準は営業の種類によって異なります。したがって、内装工事の前に警察署への事前相談をおすすめします。


廿日市市でのスナック開業の手続きの流れ

実際にスナックを開業するまでの一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 事前調査:用途地域・保護対象施設の確認
  2. 物件の決定:賃貸契約の締結
  3. 保健所への事前相談:施設基準の確認
  4. 内装工事:基準に合った設備の整備
  5. 飲食店営業許可の申請:西部保健所へ提出
  6. 風俗営業許可の申請:廿日市警察署へ提出
  7. 現地調査・審査:警察署による検査
  8. 許可証の交付:申請から約55日が目安
  9. 営業開始

特に重要なのは、ステップ1の事前調査です。用途地域や距離制限をクリアできない場合、その場所ではスナックを開業できない可能性があります。このため、物件契約の前に十分な調査を行うことが大切です。


スナック開業の許可申請に必要な書類一覧

広島県公式ホームページによると、風俗営業許可(個人・1号~3号営業)の申請には以下の書類が求められます。

番号必要書類備考
1許可申請書(2枚組)別記様式第1号
2営業の方法を記載した書類(2枚組)別記様式第2号
3営業所の使用権原を疎明する書類賃貸契約書の写し等
4営業所の周囲の略図周囲100m程度
5営業所の平面図求積図を含む
6飲食店営業許可証のコピー名義・有効期間を確認
7用途地域の証明書市役所で取得
8誓約書(申請者用・管理者用)欠格事由に該当しない旨
9住民票の写し(申請者・管理者)本籍記載のもの
10身分証明書(申請者・管理者)本籍地の役場発行
11管理者の写真(2枚)縦3.0cm×横2.4cm

申請手数料は24,000円です。さらに、公的証明書類は発行から3か月以内のものを提出する必要がある点にもご注意ください。


廿日市市のスナック開業に関する申請窓口

廿日市市でスナックを開業する際の主な申請窓口は以下のとおりです。

手続き申請先所在地電話番号
風俗営業許可廿日市警察署 生活安全課廿日市市本町1-100829-31-0110
飲食店営業許可広島県西部保健所 生活衛生課廿日市市桜尾二丁目2-680829-32-1181
用途地域の確認廿日市市役所 都市計画課廿日市市下平良一丁目11-10829-30-9190

各窓口の受付時間は平日9時~16時が一般的です。ただし、12時~13時は昼休みとなる場合があります。事前に電話で確認してから訪問されることをおすすめします。


スナック開業を行政書士に依頼するメリット

スナック開業の手続きは、書類の種類が多く複雑です。とりわけ、営業所の図面作成や用途地域の調査は専門的な知識が求められる傾向があります。

行政書士に依頼することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 用途地域・距離制限の事前調査を正確に行える
  • 図面の作成(求積図・平面図)を専門的に対応できる
  • 書類の不備による申請のやり直しを防げる
  • 警察署との事前相談をスムーズに進められる
  • 開業準備に集中する時間を確保できる

一方で、ご自身で手続きを進めることも不可能ではありません。しかし、図面の精度不足や書類の記載ミスにより、申請が長引くケースも少なくありません。そのため、確実かつスピーディーに許可を取得したい方には、専門家への相談をおすすめいたします。

当事務所では、廿日市市をはじめとする広島県内のスナック開業に関する風俗営業許可のご相談を承っております。各種許認可業務の詳細はこちらをご覧ください。