深刻な人手不足を背景に、「建設業で外国人を雇いたい」と考える事業者が増えています。しかし、いざ採用しようとすると、どの在留資格なら現場で働けるのか、何の手続きが必要なのかが分かりにくいのも事実です。そこで本記事では、建設業の外国人雇用で押さえるべき在留資格の種類と受入れ手続きを、広島の行政書士がわかりやすく整理します。

建設業の外国人雇用は「在留資格」で決まる

外国人が日本で働けるかどうかは、本人が持つ在留資格(ビザ)によって決まります。つまり、同じ「外国人を雇いたい」でも、その在留資格しだいで現場作業ができるかどうかが変わるのです。たとえば「留学」や「技術・人文知識・国際業務」では、とび・鉄筋・型枠といった現場の作業はできません。もし資格の範囲を超えて働かせると、事業者側も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。したがって、まず確認すべきは「その人がどの在留資格を持っているか」です。

高所現場で働く外国人のイメージ写真

建設現場で働ける主な在留資格【比較表】

建設業で外国人を雇いたい場合、実際に現場で働ける在留資格は限られています。代表的なものを比較すると、次のとおりです。

在留資格現場作業特徴
特定技能(建設)試験合格などで即戦力を採用。受入れ要件が厳格
育成就労(旧・技能実習)育成が目的。2027年施行予定の新制度
技術・人文知識・国際業務現場作業は不可。施工管理・設計など技術職向け
身分系(永住者・配偶者等)就労制限なし。どの業務でも雇用可能

このように、現場作業員として雇うなら「特定技能」「育成就労」「身分系」が中心となります。一方、施工管理や設計といった技術系の職種であれば「技術・人文知識・国際業務」も選択肢になります。

特定技能(建設)で即戦力を採用する

特定技能は、一定の技能と日本語力を持つ外国人を即戦力として受け入れる在留資格です(出入国在留管理庁「特定技能制度」)。建設分野では評価試験の合格などが本人の条件となります(出入国在留管理庁「建設分野」)。業務は、土木・建築・ライフライン設備の3区分に整理されています。加えて、熟練した技能があれば、在留期間の更新に上限がなく家族の帯同も可能な特定技能2号へ進む道もあります。なお、受け入れる企業側にも複数の要件が課される点に注意が必要です。

育成就労は技能実習に代わる新制度

これまで多くの建設会社が活用してきた技能実習は、育成就労制度へと移行します。育成就労は人材の育成と確保を目的とした制度で、2027年(令和9年)の施行が予定されています(出入国在留管理庁「育成就労制度」)。具体的には、原則3年をかけて特定技能1号の水準まで人材を育て、一定の条件下では同一分野での転籍も認められる見込みです。当面は技能実習からの移行期間となるため、最新情報の確認が欠かせません。

技術職と身分系という選択肢

施工管理や設計、CADオペレーターなどの技術職なら、技術・人文知識・国際業務で雇用できます。ただし、この在留資格で現場の作業員として働かせることはできません。一方、永住者や日本人の配偶者等といった身分系の在留資格を持つ人であれば、就労制限がなく、現場作業を含めどの業務でも雇用が可能です。

特定技能「建設」で外国人を雇う5つの受入れ要件

建設業で外国人を雇いたいとき、最も多く使われるのが特定技能です。ただし、他分野より要件が厳しく設定されています。主な受入れ要件は、次の5つです。

まず①建設業許可の取得が前提です。軽微な工事しかしない場合でも、特定技能の受入れには建設業法第3条の許可が求められます(国土交通省「建設業の許可」)。次に②建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が、事業者・技能者の双方に必要です。さらに③一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が必須で、会費に加えて1人あたり月額1万2,500円〜2万5,000円程度の受入れ負担金が発生します。加えて④国土交通省による「建設特定技能受入計画」の認定を受けなければなりません(国土交通省「特定技能制度(建設分野)」)。最後に⑤報酬は月給制とし、同等の技能を持つ日本人と同額以上を支払う必要があります。

なお、受け入れられる外国人の人数は、原則として常勤職員の数を超えられません。このように要件が多岐にわたるため、計画的な準備が重要になります。とりわけ社会保険の加入は許可・受入れの両面で欠かせない点です(建設業許可と社会保険の関係についてはこちら)。

外国人を雇いたいときの手続きの流れ

実際の流れは、まず自社が受入れ要件を満たせるかの確認から始まります。続いて建設業許可やCCUS登録などの体制を整え、JACへ加入します。その後、受入計画の認定を申請し、認定後に雇用契約と在留資格の申請へと進みます。特に建設業許可がまだない場合は、ここが最初の関門となります。当事務所では、建設業許可の取得までの流れや申請代行はこちらで解説しているとおり、許可の取得から在留資格の申請まで一貫してサポートできます。なお、建設業許可の取得にかかる期間の目安はこちらもあわせてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 建設業許可がなくても外国人を雇えますか?
A. 特定技能や育成就労で現場作業員を受け入れる場合、建設業許可が必要です。まずは許可の取得から準備しましょう。

Q. 技能実習生はどうなりますか?
A. 技能実習は育成就労へ移行します。現在受け入れ中の方への経過措置も設けられる見込みのため、早めの情報収集をおすすめします。

Q. 留学生をアルバイトで現場に入れてもいいですか?
A. 留学の在留資格では、原則として現場作業はできません。無理に働かせると、不法就労助長罪のリスクがあります。

まとめ|建設業の外国人雇用は許可の準備から

建設業で外国人を雇いたいなら、在留資格の理解と受入れ体制づくりが欠かせません。とりわけ特定技能では建設業許可が出発点となるため、許可の準備を早めに進めることが成功への近道です。もし手続きに不安があれば、ぜひ専門家にご相談ください。

▶ 建設業許可の専門サイトはこちら:https://hiroshima-kensetsu.jp
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