「父の戸籍を集め始めて2か月、まだ終わりません」——広島で相続のご相談を受けていると、この一言を本当によく耳にします。実のところ、相続の戸籍収集は1通取れば済む作業ではありません。しかも本籍地が県外にあると、郵送のやり取りだけで1か月を超えることもあります。そこでこの記事では、戸籍集めが終わらない理由を整理したうえで、広島で戸籍収集を代行に任せる方法・流れ・費用の目安を、廿日市の行政書士が解説します。
なぜ相続の戸籍収集は終わらないのか
出生から死亡まで「切れ目なく」つなぐ必要がある
相続手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべてそろえます。というのも、婚姻・転籍・法改正による作り替え(改製)のたびに新しい戸籍が作られ、前の戸籍の情報がそのまま引き継がれるとは限らないからです。たとえば前婚の子や認知した子の記載は、古い戸籍にしか残っていません。したがって1通でも抜けがあると、銀行も法務局も手続きを進めてくれません。
請求先は「本籍地の数」だけ増えていく
さらに厄介なのが転籍です。結婚や引っ越しのたびに本籍を移していた方だと、請求先の市区町村はその数だけ増えます。ましてや戦前生まれの方であれば、旧字体の手書き戸籍を読み解く場面も出てきます。つまり「あと何通、どこに残っているのか」が、集め終わるまで分からない構造なのです。
郵送請求は一往復で2週間かかる
一方、遠方の役所へは郵送で請求することになります。ところが用意するものは請求書だけではありません。本人確認書類の写し、手数料分の定額小為替、返信用封筒までそろえて送ります(廿日市市の郵送請求の案内が参考になります)。定額小為替は1枚につき200円の発行手数料がかかり、有効期間も6か月しかありません。加えて金額が足りなければ、差額を送り直すことになります。この往復を何度も重ねるうちに、相続税や相続登記の期限が近づいてくるわけです。

広域交付でも戸籍収集が終わらない3つの理由
2024年(令和6年)3月1日から、戸籍の広域交付制度が始まりました。本籍地が全国どこにあっても、最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できる制度です。もっとも、これで戸籍集めがすべて解決したわけではありません。
| 比較の視点 | 広域交付 | 従来の請求(郵送・代理) |
|---|---|---|
| 請求できる人 | 本人・配偶者・直系尊属・直系卑属のみ | 第三者請求・職務上請求も可能 |
| 請求の方法 | 本人が窓口へ出向く(郵送・代理は不可) | 郵送・代理人による請求が可能 |
| 対象の戸籍 | コンピュータ化されていない一部は対象外 | 対象の制限なし |
第一に、兄弟姉妹や甥姪の戸籍は広域交付では取得できません。ですから子どものいないご夫婦の相続では、この制度がほとんど使えない場面が出てきます。第二に、窓口へ本人が出向く必要があり、郵送も代理も認められていません。平日に休みを取りにくい方にとっては、そもそも入口が狭いといえるでしょう。第三に、電子化されていない古い戸籍は対象外です。結局その分だけは、従来どおり各役所へ郵送で請求することになります。
なお、戸籍の種類や集める順番といった基本は、相続人の調べ方の記事で詳しく解説しています。
広島で戸籍収集の代行を頼めるのは誰か
行政書士など8士業の「職務上請求」
戸籍法第10条の2は、弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士が、受任した事件や事務の遂行に必要な場合に戸籍謄本等の交付を請求できると定めています。これがいわゆる職務上請求です。要するに、依頼を受けた行政書士は、ご本人に代わって全国の市区町村から戸籍を取り寄せられます。ただし請求できるのは業務に必要な範囲に限られ、利用目的も明らかにしたうえで請求します。
代行は「読み解き」までがセット
戸籍は、集めて終わりではありません。むしろ本番は、集めた戸籍を読み解いて相続人を確定する作業です。そこで行政書士は相続関係説明図を作成し、ご希望があれば法定相続情報一覧図の申出も代理します。この一覧図は法務局が無料で交付するため、分厚い戸籍の束の代わりに銀行や法務局へ提出できます。ちなみに廿日市市にお住まいの方であれば、広島法務局廿日市支局(廿日市市新宮1-15-40)も申出先の一つです(管轄区域一覧)。
代行できない業務との線引き
もちろん、行政書士がすべてを行えるわけではありません。相続登記の申請は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人同士の争いの代理交渉は弁護士の業務です。当事務所ではこの三者と連携し、窓口を一本化してお引き受けしています。

依頼から完了までの流れと期間の目安
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ①相談 | 状況のヒアリング(LINE・電話も可) | 当日〜数日 |
| ②委任 | 委任状の取り交わし・着手 | 1〜3日 |
| ③収集 | 職務上請求で全国から戸籍を取り寄せ | 2〜4週間 |
| ④確定 | 相続関係説明図の作成・内容のご確認 | 数日 |
| ⑤仕上げ | 法定相続情報一覧図の申出(ご希望の場合) | 1〜2週間 |
おおむね、着手から1か月前後で戸籍がそろいます。ただし本籍地の数が多い場合には、もう少し余裕を見ておきましょう。また、被相続人が帰化された方だと期間はさらに延びます。というのも、帰化前の身分関係は日本の戸籍に載らず、本国書類の取り寄せと翻訳が別に必要になるからです。詳しくは帰化した人の相続をご覧ください。
戸籍収集の代行にかかる費用
費用は「実費」と「報酬」に分かれます。まず実費の代表例は、次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 戸籍全部事項証明書(戸籍謄本) | 1通450円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍謄本 | 1通750円 |
| 戸籍の附票の写し | 1通300円 |
| 定額小為替の発行手数料 | 1枚200円 |
| 郵送料・交通費 | 実費 |
※金額は廿日市市の例です。
平均的な相続でも10通前後、本籍を何度も移した方だと20通を超えることがあります。そのため、実費だけで1万円前後になるケースも珍しくありません。一方、報酬は通数や相続人の範囲によって変わりますので、着手前にお見積りをお出しします。つまり「総額がいくらか分からないまま進む」ということはありません。
戸籍収集の代行に関するよくある質問
途中まで自分で集めた分は無駄になりますか
無駄にはなりません。お手元の戸籍を確認したうえで、足りない分だけを追加で取り寄せます。むしろ費用は抑えられますので、集めた分はそのままお持ちください。
兄弟姉妹が相続人でも代行できますか
対応できます。広域交付では取れない範囲ですが、職務上請求であれば取り寄せが可能です。連絡の取れない相続人がいるケースは、音信不通の相続人がいるときもあわせてご覧ください。
広島県外に住んでいても依頼できますか
もちろん可能です。やり取りは郵送とLINEで完結しますから、ご来所は必須ではありません。
急いでいます。期限はありますか
相続税の申告は原則10か月以内、相続登記は取得を知った日から3年以内です。だからこそ、戸籍収集だけでも早めに着手しておくと安心です。
まとめ|終わらない戸籍集めは丸ごと任せられる
相続の戸籍収集は、時間と根気を要する地道な作業です。しかも広域交付が始まった今も、兄弟姉妹の相続や古い戸籍では従来どおりの請求が欠かせません。だからこそ、平日に動けない方ほど代行という選択肢が生きてきます。
行政書士江島世鉉事務所では、広島県廿日市市を中心に、戸籍の収集から相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成までまとめてお引き受けしています。どこまで自分でできるか迷っている方は、相続手続きは自分でできる?や相続手続きは何から始める?も参考になります。まずはお気軽にご相談ください。
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行政書士江島世鉉事務所(広島県行政書士会 広島西支部/登録番号 26341147)
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