「風俗営業許可は、数年ごとに更新が必要なのでしょうか」。このようなご相談を受けることがあります。結論からお伝えすると、風俗営業許可に有効期限はなく、更新の手続きは不要です。ただし、更新がいらないからといって、何もしなくてよいわけではありません。実際、変更や相続の場面では、別の手続きが求められます。本記事では、更新が不要な理由と見落としやすい注意点を、広島県廿日市市の行政書士がわかりやすく解説します。
風俗営業許可に「更新」はない
風俗営業許可は、一度取得すれば営業を続けるかぎり有効です。つまり、運転免許のように数年ごとの更新は求められません。実は、かつては更新制が設けられていた時期もありました。しかし現在、その制度はすでに廃止されています。そのため、許可証の日付を見て「期限切れではないか」と心配する必要はありません。
ここで大切なのは、許可と免許の考え方の違いです。風俗営業許可は、いったん認められれば効力が続く仕組みになっています。一方、有効期間が決められた免許や許可も少なくありません。だからこそ、自分の持つ許認可がどちらなのか、正しく把握しておきましょう。
なお、風俗営業の制度全体は、警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」でも確認できます。
更新が必要な許可・不要な許可の違い

許認可には、更新が必要なものと不要なものがあります。混同しやすいので、代表例で整理しましょう。
まず、更新が必要な許可です。たとえば宅地建物取引業の免許は、5年ごとに更新します。建設業許可も同じく、5年ごとの更新が必要です。加えて飲食店営業許可にも有効期限があり、期限が来れば更新します。
一方、更新が不要な許可もあります。風俗営業許可は、その代表例です。なお、古物商許可も一度取れば更新はいりません。営業場所などのルールは、古物商営業場所のルールでも解説しています。
ここで注意したいのが、飲食店営業許可との関係です。キャバクラやスナックは、料理やお酒を出すため、飲食店営業許可もあわせて持つお店がほとんどです。ところが、こちらの許可には期限があり、更新が必要になります。つまり、ひとつのお店に「更新がいる許可」と「いらない許可」が混在しているわけです。だからこそ、両者を取り違えないよう気をつけましょう。
更新は不要でも手続きが必要な場面
更新がないとはいえ、許可を取ったあとに手続きが求められる場面はあります。おもなものは、変更・承継・廃業の3つです。順番に見ていきましょう。
内容が変わったときの「変更届」
たとえば、店の名称や構造、管理者を変えたときです。この場合には、変更届や変更承認申請が必要になります。法人の役員が変わったときも、同じく届出が求められます。
変更には、軽いものと大きなものがあります。軽微な変更なら、変更のあと決められた期間内に届け出れば足ります。一方、客室の増減のような重要な変更は、工事の前に承認を受けなければなりません。
気をつけたいのは、営業所そのものを移すケースです。場所を変えると、変更ではなく新たな許可の取り直しになります。つまり、引っ越し感覚での移転はできません。広島県内の申請様式は、広島県警察「手続様式ダウンロードコーナー」から入手できます。
相続や合併による「承継」
経営者が個人事業主の場合、その方が亡くなっても許可は当然には引き継がれません。ただし、相続人は相続承認申請を行えば、許可を承継できます。この申請には、死亡から60日以内という期限があります。そのため、相続が起きたら早めの対応が欠かせません。
これに対して、法人なら合併や分割によって承継します。このときは、効力が生じる前に公安委員会の承認を受ける必要があります。いずれの場合も、手続きを怠ると営業を続けられません。だからこそ、事前の準備が大切になります。
更新不要でも油断は禁物|許可が失効するケース
更新がないからといって、放置してよいわけではありません。たとえば、許可を受けてから6か月以内に営業を始めないときです。あるいは、6か月以上続けて営業を休んだ場合も同じです。こうしたケースでは、許可が取り消されることもあります(風営法第8条)。つまり、許可を保つには、実際に営業を続けることが前提になります。
再開の予定があるなら、休む前に警察へ相談しておくと安心です。ほかにも、欠格事由に当たると許可は取り消されます。一定の法令違反や名義貸しが、その代表例です。健全な運営こそが、許可を守る何よりの近道といえるでしょう。
よくある質問
最後に、相談の多い疑問にお答えします。
Q. 更新がないなら、許可証の更新もしなくてよいですか。 A. はい、更新の手続きはありません。ただし、記載事項が変わったら変更届が必要です。
Q. 個人から法人に変えたら、許可はそのまま使えますか。 A. いいえ、法人成りでは新たな許可が必要です。個人の許可を、そのまま会社へ引き継ぐことはできません。
Q. 何年も営業を休むと、許可はどうなりますか。 A. 6か月以上の休業は、取り消しの対象になり得ます。再開の見込みがないなら、特に注意してください。
広島で風俗営業許可の手続きにお悩みなら
風俗営業許可は更新こそ不要ですが、変更や承継など、判断に迷う手続きは少なくありません。とくに相続が絡む場合は、期限の管理が大切になります。当事務所は、広島県廿日市市を拠点に風営法のご相談を承っております。
風俗営業許可の詳しい情報は風俗営業許可専門サイトをご覧ください。ご相談はLINEからも受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。