ガールズバーの許可は「接待」と「深夜営業」で決まる

広島でガールズバーを開こうとすると、最初にぶつかるのが「風俗営業の許可が要るのか、深夜酒類提供飲食店営業の届出で足りるのか」という問題です。実は、この判断はお店の呼び名や雰囲気では決まりません。決め手になるのは、店内の接客が法律上の「接待」に当たるかどうか、そして深夜0時を過ぎて営業するかどうかの2点だけです。

もっとも、この組み合わせを取り違えると、開店後に無許可営業として摘発されかねません。しかも令和7年の法改正によって、その罰則は大幅に重くなりました。そこで本記事では、接待の線引きを警察庁の基準までさかのぼって整理し、広島での申請手続きまでを行政書士の視点で解説します。

ガールズバーのイメージその2

ガールズバー開業に必要な3つの手続き

土台になるのは保健所の飲食店営業許可

まず押さえたいのは、ガールズバーが法律上は飲食店だという点です。したがって、どの営業形態を選ぶ場合でも、保健所の飲食店営業許可と食品衛生責任者の選任が出発点になります。風営法上の許可や届出は、この飲食店営業許可の上に積み上がる手続きだと考えてください。

接待をするなら風俗営業1号許可

一方、店内で接待を行うなら、風俗営業1号(社交飲食店)の許可が必要です。これは公安委員会の「許可」であり、審査を通らなければ営業を始められません。なお、許可を受けた営業所は、原則として午前0時以降の営業ができません(風営法第13条)。

深夜0時以降も酒を出すなら届出

これに対して、接待をせず深夜0時を過ぎて主に酒類を提供するなら、深夜酒類提供飲食店営業の届出になります。届出は許可と違い、要件を満たした書類を営業開始の10日前までに提出すれば営業を始められます。ただし、この届出のもとでは接待が一切認められません。

風営法の許可と深夜の届出はどちらを選ぶ?

両者の違いを、開業前に確認したい項目で並べてみましょう。

比較項目風俗営業1号許可深夜酒類提供飲食店営業の届出
接待できるできない
深夜0時以降の営業原則できないできる
法的な性質許可(審査を経て決定)届出(要件を満たせば受理)
人的な欠格要件あり(前科・破産など)なし
客室の床面積16.5㎡以上(和室は9.5㎡以上/1室のみは制限なし)9.5㎡以上(1室のみは制限なし)
営業所内の照度5ルクス以上20ルクス以上
手数料24,000円不要
期間の目安決定まで55日前後営業開始の10日前までに提出

こうして並べると、両者がほぼ正反対の制度だとわかります。つまり「接待もしたいし朝まで営業もしたい」という希望は、原則として通りません。制度そのものの成り立ちは風俗1号営業と深夜酒類飲食店営業の違いを徹底解説でも整理しています。

ガールズバーのイメージその3

ガールズバーの許可を左右する「接待」の線引き

警察庁の解釈運用基準が示す6つの場面

接待とは、風営法第2条第3項で「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。ただ、この文言だけでは現場の判断がつきません。そこで警察庁は解釈運用基準という通達で、場面ごとの具体的な線引きを示しています。

場面接待に当たる行為接待に当たらない行為
談笑・お酌特定少数の客の近くにはべり、継続して談笑の相手になる、酒などを提供するお酌や水割り作りをして速やかに立ち去る、カウンター内で注文に応じて出す、挨拶や若干の世間話
ショー特定少数の客のための客室でショーや歌舞音曲を見せる不特定多数の客に同時に見せる
歌唱特定少数の客の近くで歌を勧める、手拍子や拍手をする、客と一緒に歌う客の近くに位置せず不特定の客に歌を勧める、伴奏する
ダンス客の身体に接触しながら踊らせる、近くで継続して一緒に踊る技能の修得を目的としたダンスの教授
遊戯・ゲーム特定少数の客と一緒にゲームや競技を行う客同士でゲームをさせる
その他身体を密着させる、手を握る、口元まで飲食物を差し出す社交儀礼上の握手、飲食物の運搬や片付け、荷物を預かる

「カウンター越しなら大丈夫」は誤解

開業前の相談でよく聞くのが「カウンター越しに接客していれば接待にならない」という説明です。しかし、基準を読めばわかるとおり、決め手はカウンターの有無ではありません。ポイントは、特定少数の客に対して継続的に、通常の飲食に伴うサービスを超えたもてなしをしているかどうかにあります。

たとえば、スタッフがカウンターの内側から特定のお客さまの正面に立ち続け、その方とだけ長く会話を続けたとします。この状態は接待と判断される可能性があります。逆に、不特定のお客さまへ注文に応じて飲み物を出し、短い世間話を交わす程度なら接待には当たりません。判断に迷う場面は接待行為の具体例でも紹介しています。

判断を誤ったときの罰則は令和7年に重くなった

ここで注意したいのが、令和7年6月28日に施行された改正風営法です。この改正により、無許可で風俗営業を営んだ場合の拘禁刑は「2年以下」から「5年以下」へ引き上げられました。罰金の上限も200万円から1000万円に、法人に対しては3億円まで引き上げられています。

さらに、風営法違反で処罰されると、その後は一定期間、許可を受けられない欠格事由に該当します。つまり、届出だけで開業して実際には接待をしていた場合、後から許可を取り直す道もふさがれてしまうわけです。詳しい欠格の仕組みは風俗営業の欠格事由と前科でまとめています。だからこそ、線引きの確認は開店前に済ませてください。

広島でガールズバーの許可・届出を出す流れ

風俗営業1号許可の申請

広島県では、申請書を営業所の管轄警察署(生活安全課)を経由して提出し、広島県公安委員会が許可を判断します。手数料は24,000円、決定までの目安は55日前後です。加えて、物件探しや図面の作成にも時間がかかります。そのため、開店予定日の2〜3か月前から動き出すと安心です。

なお、住居系の用途地域では1号営業の許可は下りません。学校や病院などの保全対象施設が近い場合も同様です。物件の契約前に確認したい点は風俗営業許可が取れる用途地域で解説しています。

深夜酒類提供飲食店営業の届出

届出の窓口も、同じく管轄の警察署です。ただし、提出期限は営業開始の10日前までと決まっています。必要書類は、届出書と営業の方法を記載した書類のほか、営業所の平面図、飲食店営業許可証の写し、用途地域の証明書、住民票などです。様式は広島県警察の手続様式ダウンロードコーナーから入手できます。もっとも、深夜営業も住居系地域では認められないため、物件選びの段階で確認しておきましょう。

廿日市市で開業する場合

廿日市市に出店するなら、窓口は廿日市警察署の生活安全課になります。一方、広島市中区なら広島中央警察署というように、管轄はエリアごとに分かれています。自分の物件がどの署の管轄かは、広島県警察の警察署のご案内で確認できます。

ガールズバーの許可に関するよくある質問

深夜0時以降も接待をしたいのですが

現行法では認められていません。風俗営業の許可を受けた店は、午前0時以降は営業できないからです。ただし、広島県の条例では12月20日から12月31日までの期間や、条例で定められた一部の地域について、午前1時までの延長が認められています。適用されるかどうかは管轄署で確認してください。

届出で開業し、あとから接待を始められますか

接待を始めるなら、その前に風俗営業1号許可を取得しなければなりません。届出のまま接待を行えば、それは無許可営業です。しかも構造設備を1号営業の基準に合わせる必要があるため、内装のやり直しが生じることもあります。だからこそ、開業前にコンセプトを固めておくことが大切です。

18歳未満のアルバイトは雇えますか

1号営業では、18歳未満を客に接する業務に就かせることも、客として立ち入らせることも禁止されています。一方、深夜酒類提供飲食店営業でも、午後10時から午前6時までは同じ制限がかかります。したがって、シフトを組む前の年齢確認が欠かせません。

まとめ|ガールズバーの許可は開店前の見極めが肝心

ここまで見てきたとおり、ガールズバーに必要な許可は「接待をするか」「深夜0時を過ぎるか」で決まります。そして接待の線引きは、カウンターの有無ではなく、特定少数の客への継続的なもてなしかどうかで判断されます。加えて、令和7年の改正で罰則が重くなった以上、思い込みで開業するリスクは以前より大きくなりました。

迷ったときは、内装工事や物件契約に入る前にご相談ください。当事務所では、広島県内のガールズバーやスナックについて、営業形態の見極めから図面作成、警察署への申請まで一貫して対応しています。

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行政書士江島世鉉事務所(広島県行政書士会 広島西支部/登録番号 26341147)
広島県廿日市市阿品台5-2-22 TEL 0829-39-8662


Sources:

広島・廿日市風俗営業許可相談オフィス

風俗営業許可・深夜酒類提供の専門サイト

風俗営業1号許可・深夜酒類提供飲食店の届出・飲食店営業許可について、必要な手続きの判断から書類作成・申請までご案内しています。

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行政書士江島世鉉事務所 広島県行政書士会 広島西支部 登録番号 第26341147号